横浜市は週休2日制確保モデル工事を巡り、労務費補正を含む新たな仕組みの運用を2019年度のゼロ市工事で始めた。国の事例をベースに、土木関係で週休2日の達成率が▽50%以上(4週6休以上4週7休未満)▽75%以上(4週7休以上4週8休未満)▽100%(4週8休以上)―であれば、それぞれの段階に応じて国と同じ補正係数で労務費・機械経費・共通仮設費・現場管理費を増額する。また、成績評定の1点加点に該当する達成率を引き下げ、対象工事の基準に掲げる現場施工期間も短くして件数拡大を目指す。
市の週休2日制確保モデル工事は17年度に発注者指定型の成績評定を加点する形でスタート。18年度に受注者希望型を追加し、19年度には独自係数による諸経費(共通仮設費、現場管理費)の増額補正も取り入れた。
これまでの運用は、工期の8割以上の週で週休2日を確保できれば諸経費の増額補正と成績評定の1点加点、5割以上ならば成績評定の0・5点加点を措置。20年度以降は国の事例を参考に、達成率に応じて段階的に諸経費を増額補正したり、労務費なども増額補正したりする形へと仕組みを改めて、モデル工事の件数拡大に取り組むことにしていた。
19年度のモデル工事は発注者指定型が60件程度、受注者希望型が40件程度で、それぞれ18年度の36件、4件から増加。20年度は発注指定型を100件以上にする方針だ。
―港湾局の港湾工事と土木工事 補正は4週8休以上のみ―
今回の新たな運用では土木関係の他に、建築関係と、港湾局の港湾工事と土木工事に限った仕組みも用意。建築関係は国の営繕工事に関わる補正方法などを準用し、土木関係と同様に3段階の達成率に応じて労務費や市場単価などを増額補正する。港湾局の港湾工事と土木工事については、国の「休日確保型」と同じく4週8休以上が確保できた場合にのみ、労務費や市場単価、諸経費などを増額補正していく。
成績評定の加点は土木関係、建築関係、港湾局限定の別を問わず達成率50%以上で0・5点、75%以上で1点とし、1点加点の達成率をこれまでより0・5ポイント下げた。
モデル工事の対象は▽設計時に4週8休を考慮して工期設定▽原則として現場施工期間が1カ月以上▽緊急・小規模工事と管内一円工事以外▽工期に厳しい制限がない▽土・日の休工が仕様書などで条件となっていない―の全てに該当するもの。これまで「3カ月以上」だった現場施工期間を2カ月短くしている。
提供:建通新聞社