高知県は17日、豪雨災害対策推進本部会議を開き、各部局が進める2020年度の豪雨災害対策について、予算額や取り組み内容が報告された。20年度は当初予算案と19年度2月補正予算案を合わせ396億円(前年同期比6億円増)を投入し、「インフラ整備未整備箇所の整備」「ダメージを除去し、後の大きな被災を防止」「急激に悪化する事態への備え」の視点による対策を全庁挙げて実行する。
各部局が進める20年度の豪雨災害対策のうち、土木部は当初予算案で前年度比7億円増の231億円を計上した。このうち河川関係には同比28億9700万円増の115億4600万円を計上、床上浸水対策特別緊急事業や防災・安全交付金などを活用した連続的な改修に64億6300万円、局部改修に18億2900万円などを充てる。道路関係には同比900万円増の25億9100万円を計上、緊急輸送道路や啓開道路での法面対策に24億2500万円、与市明川の河川改修と一体的に実施する県道宿毛城辺線の嵩上げに1億6600万円を充てる。海岸関係には同比1億7800万円増の11億8000万円を計上、越波被害を防ぐための施設整備に9億4200万円、被災施設の復旧や流木の撤去などに2億3800万円を充てる。一方防災砂防関係は18年度の災害復旧が進捗したことで同比23億4200万円減の78億0900万円を計上、公共土木施設の復旧などに53億1500万円、砂防関係施設の整備に24億9400万円を充てる。
また新たな地方債制度を活用し、河川やダムの浚渫を実施する。20年度当初予算案には河川の堆積土砂掘削に7億2200万円、永瀬ダム貯水池の堆積土砂浚渫に1億円を盛り込む。
農業振興部では、当初予算案に同比1億8808万円増の38億9782万円を計上している。このうちインフラ未整備箇所への対応として、ため池対策に17億4275万円、水路など農業用施設の防災減災対策に2億9934万円、ダメージを除去し後の被災を防ぐ対策として、農地・農業用施設の災害復旧に7億1842万円、農業水利対策の長寿命化対策やため池のハザードマップ作成などに10億6071万円を投入する。
林業振興・環境部では、当初予算案と2月補正案を含め45億8600万円を計上、災害発生を未然に防止するための山地治山事業に4億5700万円、山地災害防止事業に1億2300万円など、豪雨などからの復旧に向けた山地治山事業に18億円、山地防災事業に6億8500万円、林道災害復旧事業に5億5300万円などを充てる。
水産振興部では、当初予算案に同比1億7514万円増の11億8450万円を計上。インフラ未整備箇所への対応には4億9309万円を投入し、宇佐地区の雨水排水施設、安芸漁港の沖防波堤延伸、加領郷漁港の護岸嵩上げなどを進める。ダメージを除去し後の被災を防ぐ対策には6億7641万円を投入し、被災した漁港施設の復旧や事前に被災を防止するための対策を進める。
提供:建通新聞社