北海道建設新聞社
2020/02/25
【北海道】投資的経費は3900億円 道が2020年度予算案を発表
道は21日、2020年度予算案を発表した。一般会計は2兆8200億9318万5000円で、前年度肉付け補正後比1.4%の減少。このうち、公共事業などの投資的経費は3813億4648万円、特別会計も含めると3899億5399万円に上り、いずれも伸び率は1.7%増になる。泊共和線の仮称・茅沼1号トンネルの着工を計画するほか、北海道日本ハムファイターズのボールパーク(BP)へのアクセス道路となる仮称・きたひろしま総合運動公園線の新規事業着手も見込んでいる。建築では、北海道消防学校校舎改築に向けた実施設計費を計上した。 特別会計は2.4%減の1兆1120億4815万2000円。一般会計と合わせた総額は3兆9321億4133万7000円に上り、前年度肉付け補正後比で1.7%の減少となる。
一般会計に関しては、20年度予算案と合わせて第1回定例道議会に提案する19年度補正予算案の1560億円を含めた実質的な20年度執行分は2兆9761億円となり、0.4%減にとどまる。
一般会計の投資的経費は、補助事業等が「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための3か年緊急対策」を含めて0.9%減の1940億円、社会資本整備総合交付金事業が23.8%減の195億円、施設等建設事業が6.6%増の382億円となっている。
一方で、19年度補正予算案も含めた実執行分では全区分で増加する。補助事業等は4%増の2902億円で、社会資本整備総合交付金は22.9%増の393億円となる。
主な建設事業を見ると、道路では、明かり部を除いて延長338mの仮称・茅沼1号トンネルは3カ年の債務負担行為を設定して着工する。登別港線の蘭法華隧道修繕を20―21年度で実施。増毛稲田線妹背牛橋と泊共和線の仮称茅沼1号橋は上部架設に入る。BPアクセス道路の仮称・きたひろしま総合運動公園線は、第1回定例道議会に道道昇格要望を提案し、その議決を受けて事業着手する見通しだ。
河川は、小町川(北見市)や置杵牛川(美瑛町)の新規着手を予定しているほか、3カ年緊急対策の最終年度として、望月寒川(札幌市)などの改修を引き続き進める。
砂防は、茂生1の沢川(石狩市)、大学の沢川(室蘭市)の通常砂防事業や、火山砂防事業で富良野川4号堰堤の整備への着手、小樽勝納など6地区の急傾斜地崩壊対策事業も新規要望している。津波・高潮対策で野塚海岸(積丹町)、栄海岸(函館市)の着手も計画している。
建築関係を見ると、教育施設では工事で高校の大規模改造が14校、特別支援学校は大規模改造9校、新設と増築が各1校を実施。設計は高校の大規模改造3校、改築2校、産業教育施設1校を進める。このほか、北の森づくり専門学院の本体工事、新道議会庁舎の完成に伴う旧庁舎解体工事費、北海道百年記念塔解体の実施設計費を措置する。
災害復旧費は97億6099万円を予算化する。このうち過去の災害に対応する過年分は79億286万円、20年度の災害に備えた現年分は18億5812万円となっている。
北海道胆振東部地震関連の対策予算は、19年度補正予算を含めると112億円に上る。公共土木施設では、日高幌内川や厚幌ダムの復旧を促進する。
投資的経費の補助事業費で予算額が多い農業農村整備では、道営事業で北美唄地区(美唄市)や川西西2地区(帯広市)などの事業を進める。
就任後初となる本格的予算を編成した鈴木直道知事は、21日の定例記者会見で30年度までのロードマップを示し、「成功の連鎖を生み出していく」と強調。その起点となる20年度予算案を「新交流時代、離陸への予算」と名付けた。
20年度予算案は「新交流時代を見据えた政策展開」という考え方で編成。@連なる好機A課題解決に向けた挑戦B多様な連携C未来の創造―の4つ視点で、東京2020オリンピック札幌開催を契機としたチャンスとレガシーの創出、国土強靱化の推進、Society5・0時代に向け未来技術を生かした産業振興と地域活性化など14の重点政策を上げた。