長野市は2月19日、総額1745億2000万円の2020年度一般会計当初予算案を発表した。台風19号の災害関連に重点配分したことで膨らみ、対前年度と比べ16.0%増加して過去最大となった。災害の復旧・復興は255億3000万円を投入して、被災したインフラや公共施設の復旧などに注力する。このほか、市民センターや支所などの建設、土木事業などにも継続して予算を盛り込んだ。
災害関連は、借上型応急仮設住宅に4億4687万円を計上して630戸の提供を見込み、住宅の応急修理は6億6330万円。インフラの復旧は、道路施設がブロック積み工や舗装工などに1億4000万円、河川施設に3億6000万円、水道施設は2億7088万円と下水道施設は22億5553万円。公共施設は、支所庁舎の復旧に1億6791万円、沖団地と美濃和田団地は解体撤去に2億0939万円。また、公費解体を含めた災害廃棄物の収集運搬処理は100億9000万円を投じる。
市民センターや支所などの建設は、中条が10億4539万円、七二会で2億5227万円を投じてそれぞれ建設工事に着手する。芋井は造成設計に497万円。篠ノ井も1億8902万円を盛り込み、旧支所と交流センターの解体、道路拡幅工事などを進める。継続する返目団地の整備は4億5984万円、国民宿舎松代荘は5億0849万円で増築と改修工事などを進める。また、20年度から事業化する戸隠授産施設整備は、旧戸隠老人福祉センターを解体して戸隠福祉企業センターと授産施設の複合化施設を建設する。計画規模は軽量鉄骨造平屋建て、延べ約390u。
オリンピック施設は計画的な改修のため、アクアウイングの照明制御盤やオリンピックスタジアムの音響装置などに総額2億5411万円。ビッグハットと若里市民文化ホールも設備の改修に1億2666万円、エムウェーブの設備改修は1億5167万円。
土木事業は、道路新設改良が25事業で11億9230万円。交通安全施設等の整備は8億9513万円。除雪事業に7億1967万円を確保した。城山公園の再整備は3億2549万円を計上して、交差点改良や駐車場などを進める。
一般会計のうち、普通建設事業費は192億2182万円で同5.1%の減。内訳は、補助78億7773万円、単独113億4408万円。災害復旧費は、前年度から77億円以上増えて79億4162万円となった。特別会計は、住宅新築資金等貸付事業と飯綱高原スキー場事業が廃止され、8会計の総額が750億3830万円で同1.2%減。企業会計は4会計の総額が407億8840万円で同11.9%増となった。
提供:新建新聞社