川崎市は2020年4月から入札契約制度を見直す。災害時の地域の守り手として建設業が期待されていることから、入札参加資格の主観評価項目制度で、新たな評価項目として「消防団協力事業所」(10点)を設ける。災害対応の担い手を確保し、地域防災力を向上させるのが狙い。新設した評価項目は21・22年度競争入札参加資格申請のランク設定(格付け)から適用する。
また、事業者の技術力などの向上と、社会的貢献への意欲向上を促すため、工事請負契約の一般競争入札で、評価点の合計点が50点以上であることを入札参加資格とする入札を実施する。実際の適用は、入札案件ごとに判断する。
総合評価一般競争入札については適用基準を変更。工事価格の上昇を踏まえて、工事内容に見合った入札方式を採用できるようにするため、市長事務部局(交通局・病院局を含む)の適用基準を現行の「1億8000万円以上」から「2億5000万円以上」へと引き上げる他、発注する工事の内容・緊急性などにより、予定価格にかかわらず総合評価とする場合の適用基準について整理する。
また、地域防災力を強化し、事業者の社会貢献への評価を充実させるため、事業者の災害時における協力体制や実働実績に対し、取り組みに見合った評価となるよう評価項目を見直す。具体的には、「災害時における協力体制」の評価を▽災害時における市との協力体制(災害協定)▽同(防災協力事業所)―の2項目に分け、それぞれ0・5点を配点。また、「アシストかわさき」の評価項目も▽市が指定する完工実績▽災害協定に基づく派遣要請を受けての実働実績―の2項目に分けて、それぞれ0・5点を配点する。
一方で、「建設業労働災害防止協会の加入状況」が高止まりし、競争性確保や事業者の意欲向上につながっていないことから、評価項目から除外する。ただ、主観評価項目は継続する。
低価格入札が見受けられる業種「調査・測定」のうち種目「環境アセスメント」および「計量証明」については、最低制限価格(設定率80%)を設定する。
上下水道局関係では、屋外清掃業務委託発注手続きの積算資料について積算内容の透明性を確保するため、開札から落札決定までの間、市の積算に疑義があれば申し立てできる「積算疑義申立制度」を導入する。
4月1日以降に入札公告または指名を行う案件から適用する。
この他、川崎市から補助金などの交付を受けた事業者などにも、交付対象事業を実施する際、市の施策に準じて市内中小企業者への優先発注を求める制度をスタートさせる。20年度予算の補助金から適用する。
提供:建通新聞社