大阪市は、天王寺動物園の経営形態について、現在の市直営を改め、地方独立行政法人化する方針を固めた。今後、2月定例議会に提案し、2021年4月の独法化を目指す。実現すれば、動物園では全国初のケースとなる。
市は16年度、天王寺動物園の施設整備計画などを盛り込んだ「天王寺動物園101計画」を策定。事業実施期間を17〜36年度の約20年間とし、ローテーション方式で4期に分けて施設整備を進める。このうち、第1期(17〜21年度)は、海洋動物ゾーン、ふれあい・家畜ゾーン、アフリカの森ゾーンの他、てんしばゲートひろば(動物学習施設・スーベニアショップ)、新世界ゲートひろば(レストラン・カフェ)の整備を進めている。
現在は、設計や工事などを市が個別で発注しているが、独法化後は法人が発注業務を引き継ぐことになる。運営予算の自由度を高めることで、工期の短縮やコスト縮減につなげる考えだ。
市の担当者は101計画について「基本路線は変えずに独法化後も引き継ぐ。工期短縮やコスト縮減の他、人材育成などの面でもメリットが出ると期待している」と話す。
13年に地方独立行政法人法が改正され、動物園の独法化が可能になった。市では、16年に有識者らで構成する懇談会を設置し、動物園の経営形態や運営方法の在り方を検討してきた。
提供:建通新聞社