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西日本建設新聞社
2020/02/20

【熊本】九州地整、熊本天草幹線道宇土〜三角でルート帯3案 整備費最大900億

 社会資本整備審議会道路分科会九州地方小委員会(委員長・辰巳浩福岡大学工学部教授)の2019年度第4回会合が12日に福岡市であり、九州地方整備局は熊本天草幹線道路の宇土〜三角区間について、現国道57号を改良する案と、新たに別線を整備する2案の計3ルート帯を示した。整備に要する費用は最大900億円。今後、沿線自治体や企業、地域住民等から意見を聴取し、ルートを絞り込む。
 同区間は、事業中の宇土道路の(仮称)網田IC(宇土市上網田町)と、供用中の三角大矢野道路のみすみIC(宇城市三角町三角浦)までを計画。昨年5月の委員会で新規事業採択評価の前段となる計画段階評価の手続きに入った。
 8月から10月にかけて実施した地域の課題に関する住民アンケート調査等を踏まえ、災害時に機能する信頼性の高い道路ネットワークの構築や、定時性、速達性、走行性、安全性の確保・向上による観光振興や救急医療活動などの支援を盛り込んだ政策目標を設定。目標を達成するため、既存の道路ストック活用や別線整備等の対策案を検討した。
 現道改良は、国道57号を4車線に拡幅して線形不良個所を直す案で、延長は約13`。拡幅は海側を基本とし、特に線形不良個所が多い世界遺産の三角西港付近では、山側に別線で整備(トンネルを想定)して回避する。整備費用は約800〜850億円。
 別線整備案は、宇土半島の中央を通過するルートと、南側を経由するルートの自動車専用道路タイプ(2車線)を設定し、切土・盛土の道路構造を見込んでいる。
 中央ルート案は、(仮称)網田ICとみすみICを最短で結ぶ約12`。標高が高く高低差のある山地を抜けるため、橋やトンネルの割合が多く占め、整備費は最も多い約850〜900億円を試算した。
 南側ルート案は、約700〜750億円。国道266号沿線の集落や産業施設等にアクセスしながら約13`を計画しており、中間ICの設置も想定している。
 委員会で政策目標やルート帯案が了承されたことを受け九州地整は今後、地域がより重視する政策目標や配慮事項等を整理するため、2回目の意見聴取に移る。

提供:西日本建設新聞社
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