横浜市は公共建築物の木材利用を促進するため、市の方針に使用量などの数値目標を追加するとともに、関連法令の改正内容を反映させるなどしてガイドラインを更新する。2020年度末までに作業を完了し、21年度から木造化の施設規模拡大などを含む取り組みを全庁展開できるようにする。所管の建築局が関連業務の委託先を3月下旬に決めて中身の検討をスタートさせる。
市では公共建築物の木材利用促進に関わる方針とガイドラインを14年に定め、低層施設の「木造化」やエントランスホールなどの「木質化」を実施している。木造化については、公共建築物木材利用促進法が施行した10年度から19年度末の完成予定までで60施設の69棟(建築局発注分)に取り入れた。また、建築基準法の緩和などを背景に大規模な木造建築物が出始めた中、市も学校の建て替えで校舎の木造化を検討している。
市では、木材利用をさらに促進するためには木造化する施設の規模拡大などが必要と考えており、効率的・効果的な木材利用に向けて方針などを見直すことにしていた。
方針への数値目標の追加を巡っては、先行自治体に対するアンケートなどで建築物の用途・規模ごとの木材使用量や概算コストを分析したり、木材使用量の数値ごとにモデルケースを設定してコストを比較したりして、定量的な目標値を具体化する。
ガイドラインについては、策定後に改正された木材利用関連法令の内容を反映させるとともに、設計・施工と維持管理の留意事項、調達に関する情報を追加・充実するなどして更新する。
「横浜市の公共建築物における木材の利用の促進に関するガイドライン更新その他業務委託」と題し、公募型特別簡易プロポーザル方式で業務委託先を選ぶ。「建築設計(監理含む)」と「建設コンサルタント等の業務」の両方の競争参加資格を持つ事業者から、2月26日まで参加意向申出書、3月13日まで提案書を受け付ける。税込み概算予定価格約290万円。21年2月26日を期限に成果をまとめてもらう。
提供:建通新聞社