県港湾協議会(岡田幸一郎会長)など港湾・漁港3団体は14日、県土整備部の草野愼一部長に対し、県発注の港湾工事で冬期の気象状況を踏まえた作業船の回航費用に改善を要望した。
同協議会と日本港湾空港建設協会連合会県港湾建設協会(吉田涼会長)、全日本漁港建設協会県支部(野津一成支部長)の各団体から5人が県庁を訪れ、要望書を提出した。
3団体は、冬期に海上が荒れ、作業船の休止率が高くなる日本海特有の事情が積算基準には示されていないと指摘。その上で「余裕のある工程を組まざるを得ず、設計費以上の費用が掛かる」と別途費用の計上を求めた。
これに対し、草野部長は「港湾管理者としてもデータ(休止率)を取らなければならない。冬期作業ができない時でも作業船の維持費は掛かる」と述べ、一定の理解を示した。
また、3団体は中長期にわたる計画的な事業量確保を要望。砂浜海岸保全に向けては人工リーフの整備検討を提案した。
草野部長らは、改定作業を進めている鳥取、境両港の港湾計画の中身を提示。海岸保全では他県に先立ってサンドリサイクルやサンドパック工法を採用し、できるだけ構造物を回避する県の基本的な姿勢を説明した。
このほか、3団体は「人手不足や作業船の手配もある」と訴え、発注情報の頻繁な更新を要望した。
日刊建設工業新聞