香川県は17日開会の2月定例県議会に総額4720億円余に上る2020年度一般会計当初予算案を提案する。会期は3月18日までの31日間。前年度の当初予算4671億円に比べ49億円多い、同比1%増。「せとうち田園都市の新たな創造」の実現を目指し、災害に強い香川づくりと人口減少問題克服・地域活力向上に着実に取り組む予算として、ハード・ソフト両面での防災・減災対策に85事業、211億円を計上し重点配分した。
一般会計当初予算案の規模は4720億2900万円で前年度当初比1%増と3年連続増。
このうち投資的経費は601億1800万円で前年度に比べ49億5200万円少ない、同比7・6%減と落ち込んだ。国の「防災・減災、国土強靱化のための3カ年緊急対策」への対応は引き続き実施するものの、香東川総合開発事業(椛川ダム)が終息するため32億1900万円減、県庁舎東館耐震改修事業が完了したことから20億9800万円減となるなど、3年ぶりに減少した。
投資的経費の内訳は普通建設事業の補助(国直轄を含む)374億2300万円、19年度当初予算比6・5%減。同単独は168億5700万円、同比12・3%減。この他、災害復旧事業58億3800万円、同比0・1%増で単独事業の落ち込みが大きい。
重点的に取り組む災害に強い香川づくりで「地震・津波対策海岸堤防等整備」に18億8300万円を盛り込み、南海トラフ巨大地震に備え護岸や防潮壁の整備を推進する。
「ため池防災対策等事業」に28億1800万円を計上。中小規模ため池の耐震補強工事と老朽ため池整備などを推進する。「民間危険ブロック塀等撤去支援」には2400万円を計上。県や市町が指定する道路などに面した、民間の危険ブロック塀などの撤去費を補助する市町を支援する。
この他、「民間住宅耐震対策支援」6400万円、「老朽危険空き家除却支援」7800万円、「民間建築物耐震対策支援」、「緊急輸送道路沿道建築物等耐震対策支援」のそれぞれに4500万円など、ハード対策で203億8700万円を盛り込んだ。
ソフト対策にも重点配分する。防災アプリの活用をPRする「防災アプリ活用のための普及啓発」に300万円を計上。自宅近くの避難所までのルート検索や、事前登録の家族の居場所確認、ハザードマップ情報、多言語対応の機能を持つ。
「災害対応訓練等充実・強化事業」に7100万円。アプリを活用した県・市町合同訓練、災害時連絡員派遣などの実践的な訓練を実施し、災害時健康危機管理支援チームなど、各種チームの必要資機材の整備と災害拠点精神科病院の災害対応設備整備への補助などを行う。
また「災害に強い香川づくり」集中対策推進に8000万円を計上し「地域の組織的な防災力強化」「適切な避難促進」「自助の強化」を支援する。
ため池ハザードマップ支援事業では4億1000万円を計上し、ため池決壊に備えてハザードマップなどを作成する市町を支援する。
この他、四国における拠点性の確立に向けて航空ネットワーク振興対策に3億7800万円、空港連絡道路の整備(中間工区に連続する香南工区)7億円、さぬき浜街道の整備(県道丸亀詫間豊浜線の多度津西工区の整備、県道高松坂出線五色台工区)に16億5600万円を計上した。
一方、新県立体育館整備(本体実施設計、周辺整備検討業務など)に2億3000万円を盛り込んだ。
提供:建通新聞社