トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建設新聞社(長崎)
2020/02/14

【長崎】法面土木業協会が初の工法説明・現場見学会

付加価値となる新技術を成長させる仲間に
   7道県13社から30人が参加特のり3D工法の施工状況を間近で見学
 法面土木業協会(村林圭太会長)による初の工法説明・現場見学会が12日から二日間にわたって長崎で行われた。全国7道県の13社、30名が参加し、同協会が当面の基幹技術≠ノ位置付けている『特のり3D工法』(NETIS登録番号:QS―190004―A)の導入効果や操作法などについて学んだ。
 同工法の主な対象は急斜面の風化した土砂や軟岩を掘削・除去する法面改修や災害関連工事=B長崎バスターミナルホテル会議室で12日に行った説明会で村林会長は、「急斜面での掘削工事では人力による斜面掘削が標準となっているが、安全面や施工能力が課題。これに代わり法面掘削機による掘削が現場で採用される事が多くなり、安全性や掘削能力が向上した」と解説。しかし、「斜面掘削の設計では、複雑な掘削形状の場合が多く、断面ごとに異なる形状となっており、規則性が無い。この場合、丁張による形状管理ができず「感覚に頼って掘削する伝統的手法=vに頼らざるを得ないのが現状だった。「これは当初の設計を無視した施工方法となり、その結果、▽過掘削や不安定土砂の取り残しが発生▽設計と異なる形状となり安定計算や設計の再検討が必要―となる可能性がある。やはり、設計通りの施工を目指すことが重要」と指摘した。地すべり災害復旧工事現場での施工状況を見学
 村林会長は、これらの課題を解決と、さらなる安全性や作業効率の向上に非常に有効なのが、法面掘削機と3Dマシンガイダンス技術を融合した『特のり3D工法』だと主張。設計図に基づき作成した3次元設計データ≠ニ現況の差分を運転席のモニターにリアルタイム表示し、オペレーターの操作を誘導するシステムであるため、▽丁張設置や斜面での測量がほぼ不要▽変化点の多い複雑な形状でも設計通りの斜面掘削が可能▽経験や感覚に頼らず施工可能―となる事が主なメリット。
 村林会長はこれらを説明した上で「技術はだだの道具。使えばすべてが解決する訳ではない。しかし、新しい技術は付加価値となって、差別化できるのも事実」と述べ、出席者に対し、技術の新たな使い方の提案など「技術を成長させる仲間になってもらいたい」と呼び掛けた。

    地すべり災害復旧工事での施工状況を見学
 翌13日には、『林道大崎線地すべり災害復旧工事』(発注・長崎市、施工・叶ッ野組)の現場を見学。ここでは、特のり3D工法の掘削機を2台導入。それぞれTSとGNSS:RTKの測位方式を採用している。7道県の14社が参加した説明会
参加者は、斜面上部にも昇降階段で登り、掘削機作業の様子を間近で見学。オペレーターから操作について直接話を聞いた。参加者からは「丁張なしで図面通りに掘削でき、作業効率が格段に上がるのではないか」や「戸惑いなく操作できそうだ」といった声が聞かれた。
同協会は、難易度の高い法面工事にも技術提案ができる専門家集団≠目指して昨年12月に設立。法面に関係する様々な企業の賛同を募りながら今年4月からの本格稼働を目指している。当面は、作業環境の改善や効率化に大きく貢献する『特のり3D工法』を基幹技術に位置付け、働き方改革に対応していく方針だ。ksrogo