県は12日、2020年度一般会計当初予算案を発表した。総額は前年度当初比1.5%(124億8000万円)増の8398億5300万円で、3年連続のプラス予算。公共事業(公共+県単公共)は1328億4700万円となり、過去10年で最高額を計上。特に県単公共事業は4%増で、寄洲除去に16億円を盛り込んだ。233件の事業を廃止し、223件の新規事業を立ち上げた。
普通建設事業費等の総額は2.5%減の1766億8100万円で、そのうち公共に0.4%減の1156億5300万円を計上。内訳をみると、土木関係が前年度と同額の742億5700万円、林務関係は0.6%減の86億3600万円、水産関係は5.9%減の67億1000万円、農政関係は同額の260億5000万円。
県単公共は4%増の171億9400万円で、土木関係に5.2%増の154億7600万円を充てる。河川は47%の大幅増で29億1100万円を予算化。魅力ある観光地づくりは9.1%減の10億円。また、災害復旧事業は0.8%増の124億1400万円を盛り込んだ。
主な新規では、老朽化・狭あい化などが進む伊佐(伊佐湧水)警察署を現地で建て替える。現施設は1968年3月から供用。庁舎(RC造2階建667.21u)と車庫(432.53u)で構成。新施設は庁舎と車庫を合わせ3000uを想定。基本・実施設計等に5963万円を計上。
錦江湾横断交通ネットワーク調査検討には1088万円を計上。09年度から11年度に実施した可能性調査によると、ルートは「鹿児島〜桜島間」、構造が「トンネル・シールド工法」、概算事業費を「900〜1200億円程度」、整備手法は「国直轄を基本にし、PPP・PFIなど幅広い検討が必要」などと結論付けていた。今回、交通状況調査や関係機関との意見交換等を行う。
下水道広域化推進総合(2320万円)では、生活排水処理の広域化・共同化計画に向けた検討を進め、流域別下水道整備総合計画(2000万円)は、鹿児島湾において下水道整備の基本計画となる、流域別下水道整備総合計画を策定するために水環境の調査等を行う。
建設産業担い手確保・育成・定着促進(2828万円)では、既卒者に加え女性や外国人労働者の新規雇用に関する人件費助成のほか、合同企業説明会や多業化促進研修等により、建設技能者・技術者を育成する。
継続事業の屋久島空港滑走路延伸(7500万円)は、PI(パブリック・インボルブメント)の結果を踏まえ、環境影響評価や測量等を行う。総合体育館基本構想策定には936万円を計上した。
また、県単河川等防災(寄洲除去)には、知事と語ろう車座対話等で要望が多いことから、河川の氾濫を未然に防止するため、16億円を計上して着実に寄洲除去を行う。