大阪府と大阪市は、大阪城東部地区のまちづくりに向け、土地利用・基盤整備計画の素案を公表した。同地で計画する大阪市立大学と府立大学の統合による新キャンパス整備を核に、大きく4つのゾーンに分けて順次整備を進めていく方針。2020年度に事業手法やスケジュールなど、具体的な検討に入る。
大阪城東部地区は、JR環状線の森ノ宮駅〜大阪城公園駅の東側一帯の約40f。地区内には市の清掃工場跡地や移転用地、UR森之宮団地、府有地、JR森ノ宮電車区、大阪メトロの検車場などがあり、大規模な未利用地が存在している。
ゾーニングの骨子によると、同地区を四つのゾーンに分けて整備を進める。中央に位置する「イノベーション・コアゾーン」では、1期計画として統合大学の新キャンパスを25年4月までに整備する。その後、1・5期計画として、民間活力を導入しながら業務・商業・宿泊・居住機能などの誘致を図る。1・5期計画は25年以降のできるだけ早期の整備を目指す。
この他、もと森之宮工場などがある北側エリアは「親水空間+立体活用ゾーン」、UR森之宮団地や府立成人病センター跡地などがある南側エリアは「多世代居住複合ゾーン」、大阪メトロ森之宮検車場などがある西エリアは「拡張検討ゾーン」などとして整備を進めていく方針だ。これらのゾーンは2期、3期計画に位置付け、早くても25年以降の着手を想定している。
また、新キャンパス整備により地区内の歩行者増加が予想されており、安全対策として鉄道施設上部に連絡デッキを整備することなどを検討している。
同素案は2月7日開催の大阪城東部地区まちづくり検討会で示された。同会議に出席した橋爪紳也氏(大阪府立大学研究推進機構特別教授)は、「緑化の話がまだ出てきていない。大阪城公園の緑と連携したランドスケープデザインが必要ではないか」と意見していた。
提供:建通新聞社