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建通新聞社
2020/02/10

【大阪】近畿地整と土木施工管理技士会近畿意見交換

国土交通省近畿地方整備局と土木施工管理技士会近畿地区ブロック連絡協議会との意見交換会が2月5日、大阪市内で開かれ、技術者らが現場で直面しているテーマを取り上げて意見を交わした。幹事会の兵庫県土木施工管理技士会の三木健義会長は「私たち技術者が災害に強い国土づくりの先頭に立ち、地域の安心、安全の守り手として果たす役割は大きい」と述べながら、安定的に事業量が確保されている中でも地域間格差や企業間格差がある現状を指摘、地域建設企業の実情を考慮した対応を求めた。
 近畿地整の井上智夫局長は「『防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策』や19年度補正予算などで一定の事業量が確保され、遅れていたインフラ整備を急ピッチで進めている。5年後の大阪・関西万博への準備もあり、インフラの整備やメンテナンスは一層充実していく必要がある」と現状を報告、合わせて「監理技術者の専任の緩和や土木施工管理技士資格の位置付け、ICT活用を含めた監督検査、書類の統一化・簡素化などを話し合う重要な機会だ」とあいさつした。
 議題のうち、大阪府土木施工管理技士会が提案した「工事中止または着手不可の場合の救済措置」については、地元調整や関係機関との打ち合わせが不十分なことや災害などで設計時の工事条件と異なるケースがあることを挙げ、着工が遅れることで受注者にかかる負担の軽減、工期の柔軟な対応を求めた。整備局は特記仕様書にも記載されている「工事工程の受発注者間情報共有」の取り組みを示し、「適切に対応する」と答えた。
 「河川工事の発注時期など」について要望したのは兵庫県土木施工管理技士会と福井県土木施工管理技士会。河川での施工が可能な非出水期をフルに活用するための発注時期や工期の設定を要望し、整備局も「工事を行うのに適切な時期を逃さないよう、早期発注や出水期末を意識した工期設定など、施工可能な期間を最大限生かすことを周知したい」と答えた。
 滋賀県土木施工管理技士会が提案した「生産性向上の加速」については「プレキャスト化のさらなる推進とICT全面活用の付帯構造物への早期拡大」を課題として指摘。整備局も「プレキャスト化の優位性を打ち出した評価基準を検討中で、全国の事例も集めている」と共通の課題認識に立っていることを強調した。
 この他、奈良県土木施工管理技士会は「杭基礎の分散化」を提案。奈良県内で京奈和自動車道関連の橋梁下部工事の発注が集中しているため、杭工事業者の手配が困難となり、施工の順番待ち≠ナ着工が遅れている状況を訴えた。
 和歌山県土木施工管理技士会は「監理技術者の専任の緩和」を挙げ、監理技術者が兼務できる現場条件として「兼務する現場の移動時間が1時間程度の場合は2以上の複数現場の兼務も可能にする」「兼務する現場は異なる発注者でも可能にする」などの柔軟な対応を求めた。

提供:建通新聞社