国19年度補正を受けて、鳥取港(鳥取市港町)の代替航路が20年度内にも確保される見通しが立った。県土整備部は「西浜航路」をメイン航路化するため、支障となる第3防波堤の基礎撤去工事を3月に発注する。工事費は4億円規模。
同港では千代川河口にある千代航路が台風や豪雨のたびに閉塞。近年は17年の台風18号、19号や18年7月豪雨、19年の台風19号と3年連続して航路に土砂が流れ込んだ。
相次ぐ災害の発生を踏まえ、同部は西側から船舶を出入港させる西浜航路を緊急航路として活用する。西浜航路は沖合の東西に整備してある第1防波堤と、港から縦に伸びる第3防波堤の間にある航路幅80b。
同部空港港湾課の説明によると、水深5・0bと浅いため第3防波堤の一部を撤去する。防波堤上部の構造物は14年度までに取り除いており、20年度はマウンド状の基礎捨て石(1個当たり10〜200`)1万7000立方bを破壊して撤去。大型船の航行に必要な水深10・0bを確保する。
事業費は「11月補正」の1億円に、今回の国補正3億円を加えた計4億円を充てる。同部は今月下旬までに設計図書をまとめ、「港湾工事」を対象に3月中に入札。春先から工事に取り掛かり、緊急時の代替航路を新年度内に開通させる。
日刊建設工業新聞