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北海道建設新聞社
2020/02/05

【北海道】一般会計が過去最大を更新 札幌市の20年度予算案


 札幌市は3日、総額1兆6708億9400万円に上る2020年度予算案を発表した。一般会計は前年度比(肉付け補正後)0.7%増の1兆295億円で過去最大を更新した。経済対策で一体運用する19年度補正予算案178億円を同時編成。これを加えた「15カ月予算」の一般会計は1.8%増の1兆472億円となる。都市強靱(きょうじん)化、再開発による魅力向上などを盛り込む15カ月の建設事業費は一般会計で7.7%増の1179億円、特別、企業会計を含む総額で8.7%増の1764億円を計上した。

 20年度当初予算案は、19年度補正予算案と合わせ18日開会予定の1定議会に提案する。

 当初の内訳を見ると、特別会計は2.1%増の3712億7000万円、企業会計は1.7%増の2701億2400万円で、総額は前年度肉付け後を1.2%上回る。

 1定補正を加えた15カ月ベースでは、企業会計が前年度(15カ月予算)比2.1%増の2711億7700万円で、全会計総額は同1.9%増の1兆6896億円となる。

 当初分の一般会計に占める普通建設事業費は1.9%減の978億9178万1000円。これに災害復旧費を加えた建設事業費は2.7%減の1006億6378万1000円で、7年連続の1000億円超えとなる。

 特別会計は3.6%減の4億4989万2000円、企業会計は10.5%増の579億23万円の建設費を措置。これらを含む当初の建設事業費総額は1.7%増の1590億1390万3000円に上る。

 15カ月予算では補正分が加算され、一般会計で前年度比(15カ月予算)7.7%増の1178億8850万3000円、特別・企業会計を含む総額は1763億9162万5000円で8.7%増を確保した。

 重点は都市の強靱化や子育て環境の充実、都市リニューアルによる魅力向上など4分野が柱。

 北海道胆振東部地震の復旧関連は15カ月で約36億円を措置した。当初の道路等災害復旧費は、土砂流出が起こった清田区里塚地区や約4・2`にわたり断続的な陥没や沈下が起きた東15丁目屯田通の復旧を継続。地盤の液状化被害などが判明している美しが丘ほか2地区は、周辺地盤一体の安定化対策を計上した。

 道路や街路改良、公園や河川などインフラの防災機能強化に113億円、学校耐震化に94億円など、防災・減災には15カ月予算ベースで209億円を投入。除雪費は当初で過去最大の220億円を充てる。

 東京五輪の成功を30年の冬季招致につなげるため、五輪・パラリンピック関連に全庁一丸で取り組む。マラソンやサッカー、競歩競技が札幌で開かれる東京五輪の関連費用に8億円を充て、受け入れ環境を充実。30年招致には3億円を計上し、開催概要計画や施設配置計画の更新、機運醸成につなげる。

 第2児童相談所整備は基本計画の策定費を措置したほか、一時保護児童の増加に対応するため、仮設の一時保護施設設置に着手。保育の定員拡大には48億円を措置し、認定こども園や私立保育園で1649人の定員増を目指す。

 多様なコンサートに対応できるように改修する札幌ドームは実施設計に着手。21年度に着工し、22年度までに14億円の事業費を見込む。23年度までに23億円を投じる硬式野球場整備は、モエレ沼公園軟式野球場を改修する方向で基本設計に入る計画だ。