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建通新聞社四国
2020/02/04

【高知】阿南安芸道「野根〜安倉」 技術検討委開く

 国土交通省土佐国道事務所は1月24日、四国8の字ルートの一部を構成する阿南安芸自動車道「野根〜安倉」(東洋町〜北川村)の第1回技術検討委員会を開いた。会では、同区間が深層崩壊の要因となる可能性が高いと考えられる山頂緩斜面や岩盤クリープ斜面などの微地形が多い地域であり、地山深部まで緩み領域が分布する可能性が考えられることを確認。学識経験者から土被りが厚い区間での地質調査や付加体でのトンネル掘削、切土時の斜面崩壊、土石流などの危険性といった技術的課題について助言を得た。こうした助言を踏まえ、引き続き検討を進める。
 同区間は2018年11月に計画段階評価が完了。「区間延長を極力短くした一般道路のバイパス」として整備する方針が固まり、事業化に向けルートや構造検討に係る調査、また直轄による権限代行実施の検討を行うための調査を進めている。現時点での想定は延長約9`、時速60`で走行できる2車線の一般道路で、事業費は約400〜450億円を見込む。
 この区間は四万十帯に位置しており、地層は複雑に変形した付加体からなり、さまざまな地質が混ざり合った混在岩であることから、ぜい弱な地質である。また延長5`ほどの長大トンネルを建設する必要があるが、大土被りによる変状・崩壊や突発湧水などのリスクに加え、避難杭や避難連絡杭、逆堀りによる排水対策など技術的課題が大きくなって
 そのため、地形・地質特性などから想定される課題に対して有識者から技術的指導・助言をもらうための委員会を発足した。委員長には笹原克夫高知大学教授が就き、高知大学の坂本淳教授と土佐国道事務所の平岩洋三所長、高知県道路課の肥本一郎課長の計4人で委員を構成する。今後、数回の委員会を開催し、対応方針をまとめていく。

提供:建通新聞社