愛知県建設局は、矢作川上流圏域の河川整備計画原案をまとめた。整備メニューは引堤や堤防嵩上げ、築堤、掘削など多岐にわたり、今後さらに詳細な検討調査を進め、対象延長などを確定していく。原案は1月23日開催の第71回愛知県河川整備計画流域委員会に諮り、おおむね了承を得た。今後、一部修正を加えた上で、関係市町などの意見を踏まえ、河川整備計画案としてまとめ、2019年度中に国土交通省に認可申請を行う。
矢作川は、長野県の大川入山に源を発し、愛知県域を南西に流れ、三河湾に注ぐ1級河川。河川延長は118`、流域面積は1830平方`。河川整備計画区間は、矢作川と籠川との合流点の上流側で、矢作川上流圏域499平方`にある県内の23河川全てを対象としている。
このうち本川下流区間(平戸橋下流側)は年超過確率30分の1、上流区間で10分の1の洪水に対応した河川整備に取り組む。計画期間は今後おおむね30年間を設定する。
原案によると、籠川合流点〜平戸橋間(延長2・9`)では、狭窄(きょうさく)部がある左岸側で引堤による築堤、嵩上げ、右岸で竹林間伐(環境整備)といった工事メニューを想定する。
平戸橋〜阿摺ダム区間(延長6`)は右岸側に堆積土砂、樹木繁茂が確認されており、河岸掘削を基本に、パラペットの構築、樹木伐採などを行う。
阿摺ダム直上流部(延長0・5`)、百月ダム上流部(延長3・4`)、介木川合流点上下流部(延長4`)では築堤、パラペットによる整備を見込む。
支川関係では、力石川(延長3キロ)と飯野川(延長1・5`)で局所的に護岸整備と河床掘削を行う。
環境整備については、平戸橋下流部(河口から44`地点下流側)で竹林繁茂対策、外来植物対策、水制工、分散型帯工などの設置に取り組む他、広瀬地区、犬伏川合流点上流部、川口地区、百月ダム下流部で河床環境の改善を行う。
会合後、豊田加茂建設事務所の道浦真所長は、「計画策定後は来年度からでも事業化していきたい」と語った。
提供:建通新聞社