曽於市は、2020〜29年度の10年間にわたる学校施設整備の方向性を盛り込んだ長寿命化計画案をまとめた。20年度は岩川小の移転新築が着工を迎えるほか、統合改築を目指す学校給食センターは財源が確保できれば21年度から事業を本格化させたい考え。末吉小の普通・管理教室棟などの改築は24年度からの整備を見込んでいる。市ではこれらの事業を優先しながら、他校の長寿命化改修も年次的に進めていく方針だ。
岩川高校の跡地に計画している岩川小の移転新築事業は、20年度当初予算に工事請負費を盛り込み、11月ごろに本体工を発注する構え。今後、工区分けや設備分離等を含めた発注の在り方を検討し、既存校舎の解体等を先行させる。構想規模はRC造2階建4000u前後で、基本・実施設計は衞藤中山設計が担当。22年4月の供用開始を目指す。
新たな学校給食センターは、現存する4施設(大隅給食C・財部給食C、末吉小給食室、末吉中給食室)の統合を視野に整備。基本計画で打ち出した施設規模はS造2階建2300uで、概算事業費は約12億円。建設候補地に末吉町諏訪方の旧末吉農業改良普及所跡地を挙げており、1日当たり最大3000食の提供を見込む。スケジュールでは21年度の着手を計画しているが、「財源確保のめどが立つことが条件」(教育委員会総務課)と流動的な可能性も示唆している。
末吉小の校舎改築は、まだ具体計画が示されていないものの、24〜25年度での整備を想定。敷地内には普通教室棟(RC造3階建2517u、1975年築)や管理教室棟(同2階建1329u、76年築)などの校舎があり、内外部とも経年劣化が目立つ状況にある。
その他の小・中学校は、施設の老朽化状況に応じて年次的に整備。20年度は、屋内運動場の長寿命化改修(非構造部材耐震化)も引き続き進めていく方針で、末吉、諏訪、光神、大隅北、大隅南、財部、財部北、財部南を予定箇所に挙げている。
過小規模校は、児童数の推移等を考慮して部分修繕で対応。20年度は屋内運動場で高岡小、岩南小、深川小で整備を見込んでいるほか、教員住宅4棟(岩川小、財部小、末吉中、大隅中)の修繕も計画している。