弥生時代の青谷上寺地史跡公園整備について、県は28日、従来手法の県直営で整備する方針を固めた。効率的な整備、運営でPFI手法の導入を検討していたが、県が負担する経費の削減効果は薄いと判断した。
県はこれまでにコンサルタントに委託し、民間資金やノウハウを活用するPFIの可能性を探る調査を進めてきた。同日、県庁内の会議に調査の中間報告が示された。
史跡公園整備計画はA案=山陰道南側とエントランス整備、B案=A案に加え山陰道北側の整備―の2パターン。
県資産活用推進課によると、試算は整備から維持管理まで20年を想定。コスト縮減効果が比較的高いB案としても、県が直営整備・管理する場合の県財政負担9億6000万円に対し、PFI/PPPの経費削減率は4〜5%(4000万円程度)と、県が見込む10%を大きく下回った。
また工期が長期に及ぶ上、文化庁からの補助金交付が不透明なこともあり、PFIの導入は困難な見通しが説明された。
このため庁内会議では、県が直営で公園を整備することにし、運営に指定管理者制度を取り入れることを決めた。
国史跡の公園整備は20年度に文化庁に補助申請して事業着手。順次完成した工区から公開し、29年度(令和11年度)のグランドオープンを目指す。
日刊建設工業新聞