富山県内の建築関係8団体が主催する20年「建築富山 新年交流会」が24日夜、富山市の富山電気ビルで開かれた。建築関係者ら約420人が一堂に会し、「建築界の躍進」をモットーに親睦を深めた。
冒頭、主催者を代表して、県建築士事務所協会の堂田重明会長があいさつに立ち、「東京オリンピック・パラリンピックまで半年。関連施設も整い、建築業界も少しは落ち着いたと思う。この間、業界は慢性的な人手不足や建築資材の高騰が顕著になり、特に鉄骨用のボルトナットは、経済的にも大きな影響を与えた」と振り返った上で、「建築関係団体では担い手不足や働き方改革、高度情報化社会への対応など課題が山積している。一昨年12月に建築士法が一部改正され、若者が早く受験できるよう受験制度が変わった。建築設計監理の業務報酬も見直されたが、まだまだ必要」と述べた。
さらに、「昨年は国内の各所で風水害による甚大な被害が発生し、一昨年は大阪や北海道で大きな地震があった。地震対策では私たちの職能を生かし、富山県の安心・安全に貢献することが重要。県内の建築3会で、県や15市町村のすべてと防災協定を結び、防災協力や災害支援が出来るよう社会貢献を進める。本年も変わらぬご支援・ご協力をお願いしたい」と話した。
来賓の石井隆一知事は、「もうしばらくで、北陸新幹線開業から満5周年。観光客が増え、企業立地も進展した。何より嬉しいのは全国的な人口減少の中、富山県のUターン率が上がり、全国2番目に高い県となった。この勢いを持続させ、新しい富山県の未来を皆さんとつくりたい」と語るとともに、「県で進める富山南警察署、県立大学などの建築工事は設計、施工いずれも地元業者。地元に頼れる建築業界があることは嬉しいこと。また、建築甲子園で富山工業高校が優勝した作品のプランを生かすため、今春から本格的に事業を進める。蓮町の職員住宅を抜本的に改造し、アイデアを生かした場所にしたい。建築に関心を持つ若い人たちの夢を実現し、富山県に素晴らしい建築文化が根付くよう、また、建築関係の皆さんが、未来に向かって新しいチャレンジをするきっかけになるよう頑張りたい」と祝辞を述べた。
県議会の中川忠昭議長は、「近年、建築に求められるニーズはますます多様化している。本日の交流会を契機として、一人ひとりが切磋琢磨しながら、技能・技術の研さんを図り、富山県の建築文化の向上のため、より一層活躍していただきたい」と祝辞を寄せた。
高橋正樹高岡市長、水口功県土木部長、関係団体の来賓を紹介後、秦正徳富山大学名誉教授の音頭で乾杯。祝宴に移り、参加者は和やかな雰囲気の中で歓談した。
中締めでは、県建築住宅センターの齋田道男理事長の主唱で万歳三唱。県建築士会の近江吉郎会長が返礼の万歳を行った。日本建築家協会北陸支部富山地域会の水野敦会長が閉会の辞を述べた。
なお、共催8団体は、▽県建築士事務所協会▽県建築士会▽日本建築家協会北陸支部富山地域会▽日本建築学会北陸支部富山支所▽日本建築構造技術者協会中部支部北陸部会富山会▽県設備設計事務所協会▽県建築設計監理協同組合▽とやま住まいとまちづくり推進懇話会―。