県甲賀土木事務所は、18年に実施した法定点検で対策が必要と判断された湖南市三雲にある三雲トンネルの修繕工事を計画、9月〜12月までに工事発注を行う考えだ。
工事は本体修繕とトンネル設備更新の2件を分離発注する。発注方式は、現在着手している「草津伊賀線三雲トンネル補助道路修繕設計業務委託」内で検討するとし、想定した概算金額で総合評価もしくは事後審査型一般競争入札のどちらかを選択する。
事業費については、来年度当初予算案に要求済み。予算が認められなかった場合は、補正予算での対応も視野に入れている。工事完了は、今年度内に設定。しかし、工区分けせず単工事として発注することから施工延長を考慮し、工期延長の可能性もあるとしている。
計画では、県道草津伊賀線内にある三雲トンネル内を18年に法定点検したところ、ひび割れや浮きなどの変状が確認されたことからクラックの補修等の対策工を講じることを決定。また、設備関連が供用から約30年経過し老朽化による一部故障が生じていることから更新も同時に行う。主な設備更新内容は、▽非常用設備・受配電設備▽ジェットファン―など。最新の交通センサス値・将来交通量とトンネル構造を検証し、必要となる設備の現状配置の妥当性や最新基準での必要な工事抽出などを行う。
湖南市三雲にある三雲トンネルは、90年12月に完成した延長900bの車道3・25b×2車線、中央高は6bの陸上トンネルで吹付コンクリートとロックボルトを用いるNATM工法を採用した一般無料トンネル。舗装はコンクリート系で排水施設はL型+暗渠排水。交通量は約1万1000台/日。
なお、現在取り掛かっている「草津伊賀線三雲トンネル補助道路修繕設計業務委託」は、中央コンサルタンツ(名古屋市西区)が担当しており、5月下旬までの委託完了を目指している。委託内容は、▽概算事業費の算出▽本体対策設計▽現地調査▽工法検討▽防災・換気設備設計▽受配電設備設計―など。
提供:滋賀産業新聞