官民の航空関係者で構成する高知龍馬空港・航空ネットワーク成長戦略検討会議(座長・加藤一誠慶応義塾大学教授)は22日、第6回会合を開き、建設に向け施設内容などの検討を進めていた高知龍馬空港新ターミナルビルについて、昨年9月の中間報告で示していた国内・国際線共用の整備計画案より規模を縮小して建設することを了承した。
了承された基本構想案によると、国際チャーター便に対応可能な最低限の施設を先行整備した後、需要を見ながら段階的に増築するとしている。県は2020年度当初予算案に設計費を計上し、20年度早々に基本・実施設計を外注。21年度の発注、22年度内の供用開始を目指す。
先行整備するターミナルビルの想定規模は2階建て延べ3931平方b。中間報告案での2階建て延べ5892平方bと比べ大幅に縮小した。カウンター、出発ロビー、到着ロビー、搭乗待合室、手荷物受取所、保安検査場やコンセッション、バックヤードエリアなどを配置するが、各施設ともおおむね中間報告案より面積を縮小している。また総事業費も従来の約42億円から約28・5億円とした。内訳は新ターミナル本体工事に23・9億円、特殊設備に2・3億円、既存施設の移設と外構工事に1・3億円、既存ビルの改修や補償工事などに1・1億円を想定している。
事務局を務める県は、昨年9月の中間報告の後、国際線の需要動向やコストなどを精査。その結果、国際チャーター便の受け入れ拡大に向けた新ターミナルビルの整備は急ぐが、国際線の就航見通しには不確実性があるとし、リスクヘッジの観点から段階的に整備するとした。新ターミナルビル供用後、定期便の就航状況を見ながらカウンター、チケットロビー、航空会社事務室、CIQ事務室、VIP室、ラウンジ、免税店などを備えた施設を増築し、最終的には延べ約5300平方b、総事業費約40億円となる見込みだ。
建設場所は、既存ビル西側にあり現在バスプールとして活用している敷地周辺。新ビル建設に伴いバスプールを移転するための設計を20年度、工事を21年度に実施する。
提供:建通新聞社