愛知県防災安全局は、大規模災害時の後方支援で司令塔機能など中核的な役割を担う防災拠点施設に必要となる機能をまとめるため、2020年度早々に新規事業化するとともに、調査検討業務を外注する方針だ。発注方法は一般競争を想定する。新年度当初予算案に委託費約500万円を盛り込みたいとしている。
同防災拠点施設は、南海トラフ巨大地震など大規模な自然災害の発災時に全国から救援に集まってくる人員・物資を受け入れ、前線拠点に分配する。主な導入機能は、後方支援の司令塔機能をはじめ、物資備蓄機能、支援部隊が集結するためのオープンスペースなどを想定している。
現在、庁内で候補地の選定を急いでおり、固まり次第公表する予定だが、担当課によると19年度中に具体的な候補地を示せるかどうかは微妙な状況としている。
候補地の選定に当たっては、豊山町の県営名古屋空港西側に広がる田畑(民有地)、愛知県と名古屋市の両消防学校(尾張旭市、守山区)の3カ所を対象に、土地の性質(発災時に液状化や津波被害の可能性)、人員・物資の輸送に適しているかなどを総合的に比較検討中。
このうち豊山町の田畑は内陸部に位置。空港と名古屋高速11号小牧線に挟まれており、空・陸両路のアクセス性、土地の性質は最も優れているといえる。ただ、民有地とあって早期供用に向けては、用地買収にかかる時間や費用が見通しにくい面がある。その点、両消防学校には用地面での心配がないが、空港や高速道路から数`〜十数`の距離にありアクセス性で難点を抱える。
県消防学校については20年度に改修工事を予定しているが、候補地の一つとなったため、設計作業など工事発注に向けた準備をいったん見合わせているようだ。
大村秀章知事は、19年9月議会で大規模災害時の後方支援拠点の重要性を説き、新たに検討に着手する方針を打ち出していた。
提供:建通新聞社