滋賀県はこのほど、「第5回琵琶湖文化館機能継承検討懇話会(最終)」を開催、その中で「琵琶湖文化館機能継承方針(たたき台)」を明らかにした。
それによると、新たな博物館の開館までのスケジュールは▽20年度(令和2年度)基本計画策定、PFI簡易検討、▽21年度(令和3年度)PFI詳細検討、PFI諸手続、▽22年度(令和4年度)実施方針策定、特定事業選定、入札・契約関連事務、▽23年度(令和5年度)設計・工事(一括発注)、▽24年度(令和6年度)用地造成、▽26年度(令和8年度)開館準備、▽27年度(令和9年度)開館、概ね8年ほどの計画を考えている。また、具体的な整備スケジュールについては基本計画にて発表し、立地エリアについては広域的なアクセス、寄託者・文化財の分布、これまでの活動実績を踏まえ、「大津エリア」を中心に検討していく。
県立琵琶湖文化会館(大津市打出浜)は、昭和36年に地上5階(外観は3層)、地下1階建、延床面積4793平方bに、展示室床面908平方b、本館3階展示室256平方b、本館4階展示室196平方b、連絡館2階展示室215平方b、別館2階展示室241平方b、ギャラリー540平方b、収蔵庫床面積561平方b。博物館、近代美術館、展望閣、淡水魚水族館などを有する滋賀県初の総合博物館として開館した。その後、時代が過ぎていくとともに、近現代の日本画・洋画のコレクションは滋賀県立近代美術館に、考古資料は滋賀県立安土城考古博物館に、淡水水族館は滋賀県立琵琶湖博物館に移され、「近江の歴史と文化」にテーマを絞って郷土の文化を紹介する施設となった。 その核となっていたのは常設の企画展示室で、滋賀県内の寺院から寄託された国宝・重要文化財を含む質の高い仏教美術作品を展示していたが、建設より45年以上が経ち、建物の老朽化、入場者の減少等を理由に、08年(平成20年)に休館した。
08年度(平成20年度)より休館中である琵琶湖文化館の機能については、11年度(平成23年度)の近江の仏教美術等魅力発信検討委員会の報告書において「近代美術館に継承することが望ましい」とされ、新生美術館基本計画13年(平成25年)に盛り込まれた。しかし、新生美術館基本計画について、18年(平成30年)に方針変更を表明し、また、11年度(平成23年度)の報告以降、文化財を巡る社会情勢についても大きな変化がみられることから、琵琶湖文化館機能継承検討懇話会を設置。琵琶湖文化館の機能継承のあり方について、立地を含めて再検討を行ってきた。
提供:滋賀産業新聞