東京都財務局は、女性活躍と週休2日の二つのモデル工事を組み合わせた新たな「担い手モデル工事」を「都立矢口特別支援学校(2)校舎棟改築工事」で試行することを決めた。公共工事の担い手の中長期的な育成・確保と技術者育成のための取り組みの一環で、工事関係図書削減のモデル工事も併せて試行する。対象工事は2020年第2回都議会定例会への付議案件として2月上旬に一般競争入札を公告する予定。
同局では、これまでに試行したモデル工事の完成後、受注者にアンケート調査を実施。その結果、「他の現場でもモデル工事を実施すべき」「女性活躍と週休2日を併せて実施すべき」といった意見が出てきたことから、こうした声を踏まえ、20年度の契約から、原則として女性活躍モデル工事と週休2日モデル工事を併せて試行する方針を固めた。
この「担い手モデル工事」では、女性活躍に向けた取り組みとして、監理技術者か主任技術者、現場代理人、担当技術者のいずれかに女性技術者を配置することを入札参加の条件として設定し、女性専用の更衣室や水洗トイレ、パウダールームの整備を求める。週休2日については、工事の発注段階で週休2日確保を条件とする発注者指定型とし、契約後に受注者が「1週間のうち2日間の休日を確保」または「土・日曜日の休日を確保」のいずれかを選択する。工事の完了後、都が受注者に実績書の提出を求め、週休2日が確保できなかった場合、契約金額のうち労務費補正分を減額補正する。
今回の試行案件については、建設現場の生産性向上につなげるため「工事関係図書削減等モデル工事」も併せて試行する。受注者が作成する工事関係図書のうち、特記仕様書で定める図書を削減・簡素化することを可能とする。
矢口特別支援学校(大田区矢口1ノ26ノ10)の校舎棟改築工事では、鉄筋コンクリート一部鉄骨造4階建て延べ1万1871平方bの建物を新築する。工期は22年6月まで。工事発注規模は「W02」(税込み35億〜50億円)。
提供:建通新聞社