日野町と滋賀県土地開発公社が2019年10月20日付で協定を締結し、同公社が協定に基づき事業を進めている「日野町西大路地区定住宅地整備事業」は、当初予定通り、今年度中に用地買収、測量設計、許認可業務を完了し、20年度早々にも入札手続きを開始、ゴールデンウイーク明けに施工業者を決定し造成工事に着手。20年度末(21年3月末)までに工事を完了し、21年度早期の分譲開始を目指していく見通しとなっている。
計画では、少子高齢化などにより減少傾向にある同地区の定住人口を増やすため、国道477号沿いの土地(面積7919・1平方b)を開発し、幅員6bの開発道路、公園1ヵ所(302平方b)を整備、戸建住宅地5089・4平方b(24区画)を創出するもので、宅地整備のノウハウを有する県土地開発公社と協定を結び公社が町に代わって事業を行なう。
事業費は1億7681万5千円。県土地開発公社が用地買収から測量設計、造成工事、分譲まで実施するための事業費借入に対し、町が債務保証を行なうことを担保する目的で、18年度6月補正で債務負担行為(18〜23年度)を設定した。計画通り23年度(令和5年度)末までに宅地が完売できれば町の支出は不用となる見通し。
なお、上下水道の整備は町施行(町発注)。20年度当初予算に工事費を計上し、造成工事と並行して工事を行なう。
宅地整備が計画されている西大路地区の国道477号沿いは、都市計画の市街化区域で住居系に指定されている。過去に、組合施工の土地区画整理事業(面積約16f)が計画されたが実現せず、逆線引(市街化区域から市街化調整区域への編入)の可能性が懸念される状況となり、16年度に町が不退転の決意で市街化誘導を行なう方策の検討を実施。この報告書をもとに17年度に地元と協議を進め、18年3月、地元・西大路自治会から地権者の同意書を添えた宅地整備に係る要望書が提出されたことから公社と協議を進め、実現に漕ぎ着けた。
今回宅地整備を行なうのは、検討調査を行なった4つのゾーン6候補地の一つ。現在、町は西大路地区を含む町東部地域の活性化に向け、日野東部広域農道のミッシングリンクを解消、通勤時間帯の渋滞が慢性化している国道307号を補完する南北幹線・町道西大路鎌掛線の整備を進めており、また、田園回帰により都市からの移住で注目されるこの地域において、今を好機と捉え取り組みを進め、今回を第1弾として、第2弾、第3弾へと宅地の拡大を期待する。
提供:滋賀産業新聞