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建設経済新聞社
2020/01/24

【京都】第2期地方創生総合戦略案 JR綾部駅北に図書館等複合施設 ものづくりや物流施設誘致も

 綾部市は22日、第2期綾部市まち・ひと・しごと創生総合戦略案を公表した。
 同戦略案は、少子化や人口減少問題などの課題に取り組むもので、4つの基本戦略(1選ばれるものづくり拠点と里山・農村資源を活用した産業の創生による多様な就業機会の創出、2「住みたくなる」綾部に向けた交流・定住促進、3結婚・妊娠・出産・子育てが安心してできる社会づくり、4多様な連携と街なか・農村集落活性化による心豊かに安心して暮らせるまちづくり)を掲げた。基本戦略ごとに具体的な数値目標を示すとともに、施策ごとに効果を客観的に検証できるよう、重要業績指標(KPI)を設定した。計画期間は令和2〜6年度の5年間。なお公募型プロポーザルで選定の「第6次綾部市総合計画及び第2次綾部市まち・ひと・しごと創生総合戦略策定支援業務委託」は、ぎょうせい関西支社(大阪市中央区)が担当。
 主な内容をみると、舞鶴若狭自動車道、京都縦貫自動車道の結節点や京都舞鶴港の後背地としての地域の優位性を生かし、ものづくり企業の誘致に加え、物流施設などの誘致にも取り組む。
 農村環境を生かした産業の創出促進では、○京力農場プランを策定した地域などにおける農道、用排水路、ため池等の農業基盤整備の推進○森林整備計画、森林マスタープランなどの林業振興指針に基づく林業振興施策の推進○地域産木材の利用促進○地域資源を活用した体験施設整備の支援などに取り組む。
 農村集落での体験型交流の実施や京都府、近隣市町、大学、企業等と連携により、綾部とのつながりが深まる関係人口の確保に向けた取組を進めるほか、綾部市住みたくなるまち定住促進条例に基づき定住環境を整えるとともに、暮らしやすさ、子育てのしやすさ、地元企業等について、きめ細かな情報発信を行い「住みたくなる」「住み続けたくなる」綾部の実現を目指す。
 JR綾部駅周辺等の中心市街地では、効率的な土地利用による住環境の整備を促進するとともに、創業支援や空き店舗の活用により商店街の活性化など街のにぎわいづくりを推進し、住みたくなる魅力づくりに努める。
 広域交通の活用による定住促進では、○JR山陰本線複線化・高速化等実現に向けた取組の推進○山陰新幹線京都府北部ルート誘致、鉄道高速化に向けた整備の推進などに取り組む。
 中心市街地の活性化の推進では、○中心市街地にある未利用地や空き家の活用促進による商業、業務、居住などの都市機能の充実○JR綾部駅周辺のにぎわい創出に向けた土地の有効活用○JR綾部駅北に図書館、ホール、ホテルの複合施設の整備○UIターンによる街なかへの居住促進○グンゼ記念館・博物苑の近代化産業遺産とその周辺地域の良好な景観の保全などに取り組む。
 教育・保育環境の充実では、保育園、認定こども園、幼稚園が行う教育・保育施設・遊具の整備、職員体制の整備、職員研修の支援などに取り組む。
 特色ある学校づくり・教育環境の充実では、○綾部市小中一貫教育基本構想「あい紡ぎプラン」に基づく特色ある学校づくりの推進○全校での完全給食の実施○安全・安心な学習・生活環境を確保するための施設・設備の充実などに取り組む。
 計画的な土地利用の促進では、○線引き廃止後の新たな土地利用の促進○農村集落の維持・活性化に向けた古民家の活用など、快適で住みよい環境の提供では、○狭あい道路の拡幅整備や民間開発の誘導促進○綾部市水道事業ビジョンに基づく安全で安定的な水の供給○計画的・効率的な下水道の整備の推進○雨水対策基本計画に基づく市街地の内水被害への対策の推進○生活道路の計画的な整備と施設の老朽化対策の推進○公園施設長寿命化計画に基づく遊具などの計画的な整備の推進○市営住宅の計画的な建替え、借上型市営住宅制度の活用などの取組の推進○あやべ桜が丘団地の販売促進○民間事業者による住宅整備の促進など、住宅における安全性の確保では、○木造住宅耐震改修費補助事業の活用などによる住宅の耐震化の促進○急傾斜地崩壊対策事業などによる安心して暮らせる住環境の整備の推進○老朽化が進み周辺の生活環境に好ましくない影響を及ぼす恐れのある空き家への対策の検討などに取り組む。
 地域情報化の推進では、民間活力の有効活用のため、綾部市が保有する情報通信設備(光ファイバ網)の通信事業者への譲渡の検討などに取り組む。
 公共施設マネジメントの推進では、長期的視点に立った公共施設の最適配置等の推進などに取り組む。
 環境保全と循環型社会の形成では、住宅用太陽光発電システムの設置促進など、消防・救急体制の充実では、消防・救急車両、資機材など計画的な施設・設備整備の推進による消防力の強化と救急体制の充実など、防災対策の推進では、国土強靭化計画に基づく取組の推進、災害予防や災害時の応急対策、原子力災害への対応など防災対策の強化、老朽したため池等の改修、災害により荒廃した森林の整備や治山施設の設置により再度の被災の防止など、生活の安全性の向上では、子どもの安全に配慮した交通安全施設や市道の計画的な整備の推進、交通安全灯設置補助などによる夜間における地域の安全確保の推進、公園施設長寿命化計画に基づく遊具の計画的な整備の推進などに取り組む。
 広域連携による効率的な行政の運営では、○京都府北部地域連携都市圏形成推進宣言に基づく活動の推進○消防の連携協力に基づく、指令業務などの共同運用の検討○上水道事業の広域連携に向けた検討などに取り組む。
 目標達成に向けた主な事業として、中心市街地の活性化の推進関連で、複合拠点施設整備事業(仮称)などを挙げた。
 主な数値目標は、▽市内事業所従業者数(経済センサス)1万5063人(平成28年)→1万5300人(令和3年)▽人口の社会動態マイナス51人(平成30年)→プラス20人(令和6年)▽出生数(人口動態調査)221人(平成30年)→230人(令和6年)▽子育て世帯数(高校生以下の子どもがいる世帯)2760世帯(平成30年)→2800世帯(令和6年)。
 主な重要業績評価指標(KPI)は、▽新設法人数(累計)155件(平成30年度。実績値)→220件(令和6年度。目標値)▽日帰り観光客数54万1710人(平成30年度)→55万人(令和6年度)▽宿泊観光客数5万5249人(平成30年度)→5万8000人(令和6年度)▽定住世帯数(定住サポート総合窓口扱い)(累計)222世帯(平成30年度)→300世帯(令和6年度)▽定住希望登録者数782人(平成30年度)→900人(令和6年度)▽新設住宅戸数(5ヵ年累計。平成26〜30年度)874戸→900戸(令和6年度)▽借上型市営住宅戸数(累計)34戸(平成30年度)→84戸(令和6年度)▽水道普及率98・44%(平成30年度)→98・77%(令和6年度)▽汚水処理人口普及率83・0%(平成30年度)→85・0%(令和6年度)▽住宅用太陽光発電システム設置補助を行ったkw数2369・31kw(平成30年度)→2763・00kw(令和6年度)▽京都府北部地域連携都市圏による取組事業(累計)11事業(平成30年度)→11事業以上(令和6年度)。