山武郡市広域水道企業団(東金市家徳361―8、企業長・松下浩明山武市長)は「山武郡市広域水道企業団中長期経営プラン2016」(2016〜25年度)について、19年度中間見直しを実施し、見直し案を策定した。配水場の耐震化、老朽管更新事業、特殊形態管路更新事業などについて一部見直すとともに、昨年の台風15号による停電の発生を受けて新たに停電対策を追加。建設改良費は19〜25年度の7か年で約130億円を見込み、配水管の更新・耐震化に約56億円を予定している。
配水場の耐震化では、松尾配水場場内連絡管更新工事と東金・大網配水場場内連絡管更新工事を計画に位置付け、事業を明確化した。19〜25年度の7か年で事業費約20億円を投入し、耐震性の向上を推進する。
松尾配水場場内連絡管は、事業費約5・3億円を投入し19〜21年度の3か年で実施。東金・大網配水場場内連絡管は、事業費約14・7億円を投入し21〜25年度で事業を実施する。東金配水場は約7・9億円で21〜23年度、大網配水場は約6・8億円で23〜25年度の3か年に事業を実施する。
また老朽管更新事業は、計画延長10・5qに対し約1・3qの実績で、計画延長に達していない状況にある。このため見直しでは、計画延長を24・5qから3・5qに縮小。年間500m程度の事業量とし、19〜21年度の3か年で1・5q、22〜25年度の4か年で2・0qを実施する。
特殊形態管路(軌道横断管)更新事業は、16〜18年度の3か年で予定3か所のうち1か所を実施した。今後は21年度までに1か所、22〜25年度の4か年で3か所を実施することとした。
一方、新たに施策に追加した停電対策は、昨年の台風15号により長時間の停電が発生したことを踏まえ、非常用自家発電設備の更新や燃料タンクの拡大等を実施する。非常用自家発電設備の燃料備蓄量は約72時間分(3日分)の確保に向け検討することで、長時間停電に耐え得る施設の構築を目指す。燃料備蓄を増強するための事業費には約3・4億円を見込む。
投資計画は、19〜25年度の7か年の建設改良費に約129億6000万円を見込む。内訳は管路101億3700万円、構造物・設備14億1200万円、その他(量水器、事務費等)9億3500万円など。
管路の内訳は▽基幹管路配水管耐震化45億200万円▽重要給水施設配水管耐震化10億7900万円▽場内連絡管20億円▽成東配水場廃止に伴う幹線整備9億9500万円▽他工事関連(消防施設事業含む)3億5400万円▽その他配水管改良事業等12億700万円。構造物・設備は事務局管理棟設備改修1億円、電気・ポンプ設備等13億1200万円。
同プランは16〜25年度を計画期間として、7つの施策と17の取り組み内容を設定し、取り組み姿勢として41の事業を示した。見直しでは、41の取り組み姿勢のうち5項目で一部見直しを行い、停電対策を新たに追加、その他は継続して実施することとした。見直し案は今月22日から来月11日まで意見募集を実施している。