分譲マンションやホテル開発を展開しているマリモ(広島市)がJR小松駅前で予定していたマンション計画を断念し、その用地を織物卸などの豊織物(小松市向本折町)が取得したことが分かった。2023年春には北陸新幹線の小松開業が予定され、今後の動向が注目されている。
豊織物が取得したのは、同市日の出町4丁目211の敷地面積761・85平方メートル。マリモが分譲マンション「(仮称)ポレスター小松日の出町」を計画していた。当初スケジュールでは、RC造地下1階地上15階建て延べ5763・34平方メートルのマンション計画で、昨年春の着工、今年秋の完成を予定していたが、東京オリンピックや新幹線延伸工事の影響で建設費が高騰し、計画を断念。その後、昨年秋、豊織物が用地を取得し、所有権が移転した。
現在、小松駅前では、H・I・Sホールディングス(東京)が日の出町1丁目で「変なホテル石川 小松駅前(仮称)」(W造3階建て延べ約3000平方メートル/客室数109室)の建設に着手するなど、今後、新幹線開業に伴う観光客の増加などを見込んだプロジェクトが進むものと期待されている。
豊織物では今回の土地活用方策について「現時点で何も決まっていない。条件が合えば、具体的な話し合いを進めていきたい」としている。小松駅前の好立地で新幹線開業などの要因から、ホテルチェーンなどが関心を寄せているとの観測が広がっている。