東日本建設業保証富山支店は22日までに、19年度第3回「建設業景況調査」の結果をまとめた。
同調査は四半期ごとに集計しているもので、調査企業は新川、富山、高岡、砺波の各地区から業種や完工高、資本金のバランスを踏まえ抽出。項目ごとに19年10月から12月の今期(第3四半期)実績、20年1月から3月の来期見通しを算出した。回答は66社。
今期は労働者の確保で困難な傾向が弱まり、賃金も上昇傾向が弱まったほか、民間工事の受注で減少傾向が強まった。来期は、受注総額や収益の減少を見込む回答が多く、景気は悪化傾向が強まる見通しだ。
項目別の数値を見ると、「業況等」の地元建設業界の景気は今期、良い傾向が続いている。来期は悪い傾向に転じる見通し。
今期の「受注総額」は、減少傾向が続いている。前期と比べ、特に民間工事では、減少傾向が相当強まった。来期の受注総額は、減少傾向がさらに強まるもようで、民間工事は減少傾向が若干改善する一方、官公庁工事は減少傾向がより強まる見込みだ。
「資金繰り」は今期、厳しい傾向が続いている。来期も概ね同様の基調となる方向。
今期の「金融」は、銀行等貸出傾向で容易な傾向が続いており、短期借入金、短期借入金利ともに大きな変動は見られなかった。来期は、各項目ともに概ね同様の傾向が続く見通し。
「資材」関連は今期、資材の調達で困難な傾向が弱まり、資材価格は上昇傾向が続いている。来期は、資材の調達で困難な傾向が少し強まり、資材価格は上昇傾向がやや弱まるもようだ。
今期の「労務」は建設労働者の確保で困難な傾向が若干弱まったものの、依然厳しい状況が続いている。賃金は上昇傾向が弱まった。来期は賃金で上昇傾向が弱まる方向。
また、今期の「収益」は、減少傾向がやや弱まった。減少の理由では、『完成工事高の減少』が最も多く、『人件費の上昇』と『資材価格の上昇』、『競争激化』が同率で並んだ。来期は減少傾向が強まる見通し。
今期の「自社の業況」は大きな変動は見られなかったが、来期は一転、悪い傾向が相当強まる見込み。
今期の経営上の問題点は『人手不足』が依然トップ。以下、『従業員の高齢化』、『受注の減少』、『下請の確保難』、『競争激化』の順。