東京都建設局は、都立公園に民間活力を導入してにぎわいを創出する「多面的活用プロジェクト」の取り組みを加速する。公園区域の一部を民間事業者に貸し付け、事業者の提案に基づいてカフェやレストランの設置、イベントの開催といったにぎわい創出につなげる事業で、マーケットサウンディング調査(対話型個別ヒアリング)の結果を踏まえて対象とする公園を選定。駒沢オリンピック公園や2020年度に開業予定の木場公園を皮切りに、30年度までに10公園で導入する方針だ。
都立公園の活用については、公園審議会がまとめた答申の中で、民間による公園施設の設置・運営やまちづくりとの連携を今後の活用イメージとして提示。具体例として、レストラン・カフェや、インドア・プレイグラウンド、バーベキューなどもできる屋根付き施設の設置などを挙げるとともに、民間活力を導入するための仕組みづくりを進めるよう都に求めた。
これを受けて都は、事業者と個別に対話を実施し、実現可能性の高い事業の内容や参画しやすい条件などを確認した上で、公園ごとに事業の内容などを検討し、事業者を公募する取り組みを開始。都立公園としては駒沢オリンピック公園で初めて、民間事業者が建物の設計・施工・運営を担うレストランを17年3月にオープンした。これに続き都立木場でも事業者を決定し、レストラン&カフェの開設に向けた準備を進めている他、赤塚公園で事業者の公募選定手続きを行っている。
今後、区部北部と多摩部の42公園と、区部南部の21公園を対象として実施した対話型個別ヒアリングの結果を基に、事業化する公園や事業内容・規模、公募条件などの検討を進め、順次、民間事業者の公募選定手続きを開始。多面的活用によりにぎわいを創出した公園の数を30年度までに10カ所に拡大する。
提供:建通新聞社