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建通新聞社(中部)
2020/01/22

【愛知】久屋大通南エリア 課題乗り越え再生を

 名古屋市住宅都市局は1月21日、第4回久屋大通再生有識者懇談会南エリア検討部会を開いた。久屋大通南エリアの東西・南北の連続性を強化するため、東西道路をどうしていくべきか検討が必要とする意見が複数の出席者から示された他、東西・南北方向にある高低差(最大約7b)の解消策を求める意見が出た。2019年11月の有識者懇談会で提示された中間骨子案を受け、個別ゾーンの整備の方向性は議論が具体化していることで、改めて南エリアの地形的な特質をしっかり考えていく必要性が指摘された形だ。今後、久屋大通の在り方(南エリア部分)について取りまとめに入り、次回の有識者懇談会で在り方が提言される見込み。
 南エリアにおける東西道路のうち▽エンゼル広場と久屋広場の間▽久屋広場と光の広場の間▽光の広場と南噴水広場の間―の3道路が連続性強化を考えるに当たっての検討を要する路線。南エリア地下にある駐車場への導入路・東西方向を結ぶ生活道路である一方、広場の連続的な利用を考えると、道路を生かしつつ、連続性を強化する方法を検討する必要がある。
 南北方向の高低差は、久屋大通北・テレビ塔エリアから見ると南側のようすが分からないといった他、下り坂で加速する自転車は歩行者にとって危険といった課題を生じさせている。歩行者と自転車を分離して歩行環境を向上させることは回遊性の向上の観点からも必要とみられる。
 南エリア全体の整備の方向性(具体化案)は、▽東西・南北両方向に対する連続性強化▽夜も歩きたくなる夜間景観の創出▽新たな緑の導入▽歩行環境の向上▽防災機能確保―を提示。
 各ゾーンについて、整備の方向性の具体化案もまとめた。
 『まちのラウンジ』(希望の広場)は、印象的で求心力のあるシンボルの演出の他、緑・水に触れられ、座り・たたずみ・とどまれる場所の整備、地上(公園)と地下をつなぐ空間の確保・昇降設備の充実を挙げた。
 『異日常空間のエントランス』(バスターミナル跡地、愛の広場)は、サンクンガーデンの設置や地上をつなぐ昇降設備の充実の他、▽集客施設の設置▽沿道ビルと接続可能な通路空間整備▽東西道路廃止によるバスターミナル跡地と愛の広場の一体化―などを方向性に示した。
 『動と静のハイブリッド』(エンゼル広場、久屋広場)は、デッキなどでつないで一体的に活用できるようにする他、災害時にも活用できる電源や給排水設備、ステージ、屋根などを設置する。
 『創造と発信』(光の広場、南噴水広場)は、文化芸術を中心に多目的に活用可能な集客施設の誘導と、若宮大通の南北横断のしやすさ改善などを方向性に盛り込んだ。

提供:建通新聞社