東シナ海の薩摩川内市といちき串木野市、阿久根市の沖合いに、県内初の洋上風力発電施設の計画があることが分かった。事業名は(仮称)薩摩洋上風力発電事業で、アカシア・リニューアブルズ(大橋純社長、東京都)が計画している。最大75基で総出力は最大60万kwを想定し2024年の着工を目指している。
事業実施想定区域の設定は、洋上風況から高度140mにおいて好風況(7m/秒程度以上)のエリアのうち、着床式風力発電機が設置可能と想定される水深60m以内。施工しやすい砂質等の地質である区域とした。
また、自然公園や鳥獣保護区、港湾・漁港区域が含まれないことや騒音・風車の影による影響および景観や藻場等への影響を考慮し、沿岸部から約2q以上の隔離を確保する。
今後の方針は、配慮書および方法書以降のプロセスを通じて環境影響を検討し、事業規模等を検討。海洋調査(深浅調査、音波探査、地質調査等)を行い、基礎構造や配置計画の精度を上げ、さらに地元自治体および漁業関係者を含む地元住民や利害関係者との協議を通じて事業実施区域の絞り込みを行う。
現段階の事業実施想定区域は約395ku。風力発電施設の単機出力は8000〜1万2000kw程度で設置基数は最大75基(単機出力8000kwの場合)。実績が多い水平軸の3枚翼プロペラ式を想定し、基礎構造は現時点で着床式(モノパイル式、ジャケット式、重力式)を予定。
事業を協力するのは、三井不動産ビルディング本部環境・エネルギー事業本部。計画段階環境配慮書の一部は、東京久栄(月邦夫社長、東京都)とイー・アール・エム日本(野間達哉社長、横浜市)が担当した。