東京都都市整備局は、都市再生特別地区での鉄道施設整備について、駅舎改良をモデルケースとして事業の内容や枠組みなどを検討するとともに、民間事業と合わせて実施する際の課題を検証し、有効な解決策を探る。
都市再生特区では、民間事業者の資金を活用して柔軟で迅速な都市開発を誘導できる一方、鉄道事業者にとっては、将来の開発動向が予測しにくく、民間の開発に合わせた計画的な施設整備が難しい。そこで、民間開発に合わせた鉄道施設整備が円滑に実施できるよう、駅舎改良をモデルケースとして設定し、解決策などを検討する。
都市再生緊急整備地域内にあるJR東日本と東京メトロの駅舎と、区域内で2018〜30年度に完成する開発事業約80件を対象に、発生集中交通量や乗降人員増加率などを調べるとともに、区域内での駅舎改良の事例を調査。その上で、鉄道事業者の協力も得て、駅舎改良のモデルケースについて検討し、建築基準法など法令上の制約や施工上の課題を整理する。その際、駅舎の構造や改修の部位、改修の枠組みなど事業の要素を分類し、スペースや法令上の制約、構造、コストなど特徴的な課題を分析、鉄道事業者と行政が連携してこれらの課題解決に取り組むことが有効か考察する。
検討業務は日建設計(千代田区)が担当し、年度内に成果をまとめる。
提供:建通新聞社