国土交通省関東地方整備局の事業評価監視委員会は1月17日、首都圏中央連絡自動車道の横浜湘南道路で約2000億円、金沢〜戸塚間で約1100億円の事業費を追加する計画を了承した。いずれの事業も、現地調査の結果を踏まえて地盤改良を追加した他、シールド発生土の利用に向けた設備設置などに伴い大幅な増額を行った。評価委はストック効果の発揮に向けて「早期の開通」と「コスト管理の徹底」を求める意見を付した上で事業継続を認めた。
横浜湘南道路は栄IC・JCTから藤沢ICまでの延長7・5`をつなぐ。今回の増額でトンネル工事の技術課題にめどが立ち、開通予定を2024年度に決めた。
事業費変更の要因としては、地質調査で可燃性ガスが確認されたため、シールドマシンの電気設備の防爆化や坑内換気のための大型換気設備の設置などに約240億円を追加する。また、トンネル掘削に際し支障となる既設構造物の基礎杭を撤去するため約180億円を追加。城南換気所と関谷換気所の地下構造の変更にも約120億円を見込んでいる。
シールド発生土を他の公共工事に利用するため、改質・分析のための設備整備に約500億円を追加する。シールドマシンの発進、回転に必要な設備にも約160億円を追加することにした。
この他、基準変更に伴う事業費の変更もあった。トンネル内部をRC床版から合成床版に変更したことなどに伴い、約400億円を増額。セグメント厚の変更が必要になたため、RCセグメントから合成セグメントへの変更などにより約400億円を追加する。
金沢〜戸塚間は釜利谷JCTから戸塚ICまで、延長8・9`をつなぐ。25年度の開通予定を明らかにした。
周辺環境に配慮するため、庄戸地区の工法を開削から非開削へ変更したことで約160億円を追加する。
また、現地調査の結果、栄IC・JCTと栄〜戸塚間で軟弱地盤が見つかり、地盤改良費として約120億円を追加。地質調査を踏まえた橋梁下部工の杭長の延長や、鉄道・河川部をまたぐ本線橋梁の架設方法変更でも約250億円を増額する。
さらに、シールド発生土の利用に向け、土砂改良や搬出設備費に約300億円を追加する。一部で重金属混じりの土砂が見つかったため、処分費約270億円も積み増す。
提供:建通新聞社