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建通新聞社(東京)
2020/01/16

【東京】災害に強い首都東京の形成に向けた連絡会議が初会合

 東京都と国土交通省が設置した「災害に強い首都『東京』の形成に向けた連絡会議」の初会合が1月15日に開かれ、今後の取り組み方策についての検討が始まった。水害対策としては堤防や調節池・貯留施設の整備・強化に加え、高規格堤防(スーパー堤防)の整備などによる高台まちづくりの推進を、また、地震対策に関しては無接道敷地での建て替えや延焼遮断帯となる道路の整備など密集市街地の不燃化を柱に具体的な方策を検討していくことを確認した。
 冒頭、あいさつした赤羽一嘉国交相は「首都東京は洪水や地震といった自然災害に対するリスクが極めて高く、大規模な災害が発生すれば多くの人命が失われ、社会経済活動がまひするなど、日本全体そして世界全体に影響を及ぼす恐れがある。気候変動による大規模な洪水や首都直下地震の危険性・切迫性が高まっている中で、国と都が協力して具体的な対策を打ち出しすことが極めて重要だ」と述べ、国と都がハード・ソフト両面から連携して施策を展開する必要があると強調。
 また、小池百合子知事は「いつ発生してもおかしくない首都直下地震への対策に加え、昨年の台風により多発する水害への備えが急務となっていることが明らかになった。首都東京の安全・安心を確保するために何をすべきか。具体的な取り組みを打ち出していきたい」との意向を示した。
 初会合では水害と地震の二つの側面から、これまでに実施してきた対策と課題を確認し、今後の検討の方向性を議論した。
 水害対策については、治水安全度を向上させることで大規模水害の発生確率を低下させ、市街地の安全性を高めるとともに、大規模水害が発生し逃げ遅れた場合でも命の安全が確保され、最低限の避難生活水準を確保できるまちづくりを進めることを目標に設定。
 具体的な取り組みの方策として▽堤防、調節池・貯留施設、排水施設などの整備・強化の推進▽高台まちづくり推進するための計画策定▽土地区画整理、公園、スーパー堤防の整備による高台づくり▽避難スペースを確保した建築物の整備・確保▽民間活力を活用した建築物、高台の整備―などを挙げた。
 一方、地震対策については、住宅の不燃化・耐震化や防災生活道路の整備、延焼遮断帯の形成といった安全・安心な市街地の形成を目標として設定。
 その実現に向けた取り組みとして▽無接道敷地での建て替えの促進▽都営住宅のあっせんやサービス付き高齢者向け住宅の供給など高齢化の進行に対応した取り組み▽災害時の活動を円滑化する道路の整備と閉塞(へいそく)防止の推進▽民間事業者による受け皿住宅の整備を伴う住宅整備事業、基盤整備事業の実施などの誘導―を検討する。

提供:建通新聞社