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日刊建設タイムズ社
2020/01/16

【千葉】建設改良費に864億円/県土整備部下水道課/流域下水道で経営戦略案/花見川・手賀沼の焼却炉更新

 県県土整備部都市局下水道課は「千葉県流域下水道事業経営戦略案」をまとめた。2020〜29年度の10か年を計画期間とし、建設改良費864億1100万円(消費税込み)を投入する。投資計画では、未普及事業、地震対策、長寿命化について優先順位を設定し整備を進めることで、投資額を平準化する。地震対策は約76億円(5年間)の事業費で管路施設・処理場施設の整備を行う。また、維持管理では施設の修繕費に約570億円を見込む。経営戦略案に対しては、来月14日まで意見募集を実施している。
 施設の整備・改築にあたっては、建設改良費を計上した上で、3流域下水道(印旛沼、手賀沼及び江戸川左岸)全体で計画期間における各年度の投資額を平準化し、優先順位を設定して整備を進めることとした。優先順位は未普及事業、地震対策、長寿命化(焼却炉)、長寿命化の順とした。
 未普及事業では江戸川第一終末処理場の増設等、地震対策では簡易処理機能確保等、長寿命化では花見川及び手賀沼終末処理場の焼却炉の更新とストックマネジメント計画に基づく改築・更新を実施する。
 江戸川第一終末処理場は、20年度中に1期計画(1日平均2万立方メートル)の汚水処理施設(水処理第1系列)の供用を開始。その後も流入する汚水量の増加に併せ、29年度までに第2期計画の水処理第2系列などを供用するとともに、第3期計画の水処理第3系列も順次整備していく。
 地震対策は、流域別の総合地震対策計画(19〜23年度)に沿って実施。管路施設は、緊急輸送道路下に埋設されている管路施設や河川を横断する管路施設を優先的に実施。処理場施設は、水処理施設(揚水・沈殿施設などの簡易処理に係る施設)とポンプ施設の耐震補強、継手部の耐震化等を優先的に実施する。
 長寿命化対策は、老朽化が進む花見川及び手賀沼終末処理場の焼却炉の更新を進めるとともに、ストックマネジメント計画(20〜24年度)に基づき、施設の点検・調査及び改築・更新を計画的に実施する。事業費は約76億円(5年間)を見込む。
 建設改良費の事業別内訳は未普及事業366億800万円、地震対策事業159億9700万円、長寿命化(焼却炉)132億5500万円、長寿命化(ストックマネジメント計画に基づく改築・更新)205億5100万円。
 このほかの主要施策として、高度処理の推進、下水道資源の有効活用、処理場用地の有効活用、創エネ・省エネの推進、温室効果ガス排出量の削減、BCPの推進、広域化・共同化の推進、民間活力の活用などに取り組む。
 経営戦略案は、20年度からの公営企業会計への移行や、経営基盤の強化と財政マネジメントの向上を目的に策定。経営方針として▽快適で良好な生活環境の創造▽安全で安心なまちづくり▽安定した経営基盤の確立――の3つを掲げ、各項目ごと実施する取り組みを示した。
 流域下水道は、市町村が整備する公共下水道からの下水を受け、市町村の行政区域にとらわれることなく広域的に下水を排除し、終末処理場で処理するもの。県は印旛沼流域、手賀沼流域及び江戸川左岸流域の3つの流域で事業を実施している。k_times_comをフォローしましょう
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