東京都産業労働局は、2019年度の「中小企業の賃金事情」の調査結果をまとめた。19年7月の全常用労働者の平均賃金は、所定時間内賃金が34万6055円、所定時間外賃金が3万6611円で、合計38万2666円だった。所定外実労働時間の平均は男性が15時間42分、女性が8時間23分で、建設業では男性が21時間23分とワースト2位だった一方、女性は6時間30分で最も少なかった。年次有給休暇の利用状況は、1人当たりの平均利用率57・0%で、建設業は49・5%とワースト2位になっている。
都では中小企業の賃金制度や休暇制度の整備・充実を目的に都内中小企業(従業員数10〜299人)を対象とした賃金などの実態調査を毎年行っている。19年度は無作為に抽出した3500社に調査票を送り、1213社から回答を得た。
全常用労働者の平均賃金を事業所の規模別に見ると、10〜49人(平均年齢42・9歳)が36万7051円(所定時間内賃金33万4004円、所定時間外賃金3万3047円)で、年間給与支払額は506万6665円。50〜99人(平均年齢41・6歳)が39万0590円(所定時間内賃金35万3915円、所定時間外賃金3万6675円)で、年間給与支払額は538万6491円。100〜299人(平均年齢40・8歳)が39万1046円(所定時間内賃金35万1598円、所定時間外賃金3万9448円)で、年間給与支払額は572万0577円だった。
所定外実労働時間の平均は男性が15時間42分、女性が8時間23分。産業別(13種別)に見ると、男性で最も少ないのが医療・福祉の11時間46分、次いで生活関連サービス業・娯楽業の12時間09分で、最も多かったは運輸業・郵便業の27時間29分。建設業はこれに続く21時間23分でワースト2位だった。一方、女性に関しては建設業が6時間30分で最も少なく、情報通信業の15時間22分が最も多かった。
年次有給休暇の1人当たりの新規付与日数は16・0日、利用日数は9・1日で、平均利用率は57・0%だった。事業所の規模別で見ると▽10〜49人の新規付与日数は15・4日で、利用日数が9・1日▽50〜99人の新規付与日数は16・1日、利用日数が9・2日▽100〜299人の新規付与日数は16・4日、利用日数が9・1日―。産業別の利用状況では、利用日数が最も多いのが金融業・保険業の11・5日で、建設業はワースト3位の7・8日。利用率は宿泊業・飲食サービス業が71・5%と最も高く、建設業は49・5%とワースト2位だっだ。
提供:建通新聞社