昨年12月、閣議決定された政府19年度補正予算案に絡み、県土整備部が所管する河川・砂防の治水関係事業に14〜15億円規模の配分が想定されていることが分かった。同部は今後国補正予算の振り分けをにらみ、水害対策の蒲生川(岩美町岩本)など前倒しカ所を洗い出し、事前準備に入った。
昨年の台風19号を中心とした被害を踏まえて、国交省は19年度補正とともに20年度当初予算を合わせて防災・減災と国土強靭化を一層推進する。
今回の補正について、同部は「来年度実施を要望しているカ所の前倒し」(河川課)ととらえており、防災・安全交付金のメニュー「人命を守る対策」を活用して河川堤防の強化対策や洪水時に河川水位を低下させる河道掘削、砂防堰堤の整備を促進。一部カ所は来年度出水期までに一定の対策を終える。
河川改修では蒲生川左岸の築堤をはじめ八東川、由良川、勝部川、東郷池など8河川を対象に5億円超。樹木伐採・河道掘削は浜村川などに4000万円を見込む。
また、砂防・急傾斜地崩壊対策は、昨年度「災害関連緊急事業」を取り入れて整備している虚空蔵谷(こくぞうたに)川(日南町矢戸)のほか、杉ケ谷川(八頭町池田)、天神地区急傾斜(三朝町森)などで8億円超の前倒し着工を想定している。
このほか治山事業は県内各地区で2億円近くを要望。市瀬地区(智頭町)は山頂部に広がる裸地対策で植生工を実施する。このため同部河川、治山砂防両課所管の補正は16億円規模が積み上がりそうだ。
政府19年度補正予算は今後、20日召集予定の通常国会に提出され2月上旬までに成立する見込み。呼応して同部も「2月補正」に連動した予算を組み込み、年度末にかけて執行に踏み切る。
日刊建設工業新聞