東京都都市整備局は、多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面と町田方面への延伸に向け、コンコースのレイアウトや、駅舎や分岐橋といった主要構造物の形式、線形についての検討を開始する。事業化に向けた検討作業の一環で、コスト縮減策や収入確保策、事業採算性を見極めつつ、沿線の市町や多摩都市モノレールなどとの協議・調整も進め、早期事業化を目指す。
国の交通政策審議会が2016年4月、同路線の延伸について「地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト」と答申したことを受け、都は、事業化に向けた検討を深める6路線の中に「多摩都市モノレール(上北台〜箱根ケ崎、延長約7`)」「多摩都市モノレール(多摩センター〜町田、延長約13`)」を位置付け、輸送需要の予測や課題の整理、整備可能性といった検討作業を進めている。
これらの結果も踏まえつつ、主要構造物や線形、配線などに関する検討を始める。コンコースの標準的なレイアウト案の他、構造高設定の必要な駅舎、コンコース、分岐橋などの主要構造物の計画を検討するとともに、既存の開業区間で使用している分岐器とその配置を前提に、屈曲部の配置や縦断・平面線形を検討する。
業務については1月14日申請締め切り、31日開札の希望制指名競争入札を経て委託し、年度内に成果を得る。
多摩都市モノレールは、立川北駅〜上北台駅間(延長約5・4`)が1998年に、多摩センター駅〜立川北駅間(同10・6`)が2000年に開業。多摩センターを起点に多摩市と八王子市、日野市、立川市、東大和市を通過している。輸送システムは跨座型モノレール。延伸計画のうち上北台駅から箱根ケ崎方面については、導入空間となる道路(新青梅街道)の整備が進んでおり、その進展を踏まえて事業化する。多摩センターから町田方面については、導入空間となる道路整備が十分に進んでいないことから、その進展を見極めつつ、鉄道事業者や自治体など関係者との協議・調整を進めていく方針。
提供:建通新聞社