2020年、新しい年の建設動向は―。19年12月末時点で東京都と市町村に提出された民間大規模建築計画(延床面積1万平方b以上)を集計すると、20年の着工は41件あり、総延床面積は約125万平方bという結果が出た。建設地別に見ると、1位は港区の計33万9951平方bで、2位の中野区(計11万8094平方b)の約3倍となる=グラフ参照。(建通新聞社調査)
港区では「赤坂二丁目プロジェクト」など7件
港区を1位に押し上げた要因は、延床面積20万9700平方bの「赤坂二丁目プロジェクト」。森トラスト(港区)とNTT都市開発(千代田区)が計画する大型複合施設で、大成建設(新宿区)が設計を進めており、3月に着工する。歴史・文化の発信施設、住宅などの他、高層部の約1万8500平方bには国際水準のホテル・サービスアパートメントを整備する。
港区は物件数においても7物件で1位。「赤坂二丁目プロジェクト」の他には主要用途が共同住宅の▽イトーピア浜離宮建替え計画▽三田三・四丁目地区第一種市街地再開発事業住宅棟―1新築▽中華人民共和国駐日本国大使館大使公邸及び館員宿舎新築計画―と、オフィスビルの▽新橋四丁目計画▽港南二丁目プロジェクト▽南青山三丁目計画―が計画されている。住む場所としても働く場所としても注目されている港区は、建物の用途に関わらず大規模開発の盛んな地域と言えそうだ。
中野区では中野駅付近で2件、品川区ではJR東日本グループらが3棟新築
2位の中野区の計画は、中野駅前の2件で、延床面積の合計は11万8094平方bに達する。中野駅南口付近では、組合施行の再開発により住宅440戸などを供給する「中野二丁目地区第一種市街地再開発事業施設建築物」が3月に着工する。アール・アイ・エー(港区)が設計を担当。施工者は選定中。JR東日本(渋谷区)が自社の設計で中野駅の駅舎・駅ビルを新築する「中野駅西口開発」では、鹿島(港区)が施工を担当する。
3位の品川区ではJR東日本グループと野村不動産(新宿区)が「西五反田3丁目プロジェクトA・B・C」の3棟、計9万5800平方bを新築する。設計者は日建設計(千代田区)と竹中工務店(江東区)、施工者は竹中工務店(江東区)などの予定。
昭島市が多摩地区1位
全体の5位で多摩地区1位となったのが昭島市だ。延床面積の合計は6万8468平方b。
水処理に関わる薬品や装置の製造・販売などを手掛ける栗田工業(中野区)は、複合機能施設と研究開発施設を建設する。この他、三井不動産レジデンシャル(中央区)らの「昭島市宮沢町計画新築」と、マリモ(広島市西区)の「もくせいの杜2丁目新築」の共同住宅2件が着工する。
提供:建通新聞社