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鹿児島建設新聞
2020/01/07

【鹿児島】おれんじ鉄道橋架け替え/75mトラス橋を横移動

 川内川に架かる肥薩おれんじ鉄道橋梁の架け替えが1日、薩摩川内市の現地であった。列車を止めて昼間に大規模なトラス橋を横移動する全国的にも珍しい工事。最新の土木技術を一目見ようと、100人を超える地域住民や鉄道マニアらが見学に訪れた。 
 架け替えは、現況橋長245mを約40m(幅員3・8m)延伸するもので、約75mの鋼トラス桁を継ぎ足し施工で実施。既設の軌道や橋桁等を撤去したあと、軌道盛土を一部撤去し、愛知県の工場で製作した部材を下流側で組み立ててあった約300tもの鋼トラス橋を横取り用ベンド設備の上を約12mスライドした。1922年(大正11年)に設置され、97年振りの架け替えに地域においては、お正月の一大イベントとなった。 
 同工事は、九州地方整備局川内川河川事務所が進める大小路地区引堤事業において橋梁の一部を架け替えることで、洪水から地域の安全を守るための河道断面を確保することが目的。上部工延長のために北側の橋台を新設し、南側の橋脚は補強して利用した。電気設備等の復旧などは翌日に残し、2日で完了させた。設計はJR九州コンサルタンツ、トラス橋製作は瀧上工業(愛知県半田市)、施工は九鉄工業。 
 同橋付近の引堤事業は、2月には新設堤防に着手し、出水期(6月)までに完成させ、来年の出水期(2021年6月)までには旧堤防を撤去を目指す。 
 同事務所の安部宏紀所長は「鉄道の運行を踏まえて、出来なかった架け替えが順調に進んだことは、さらなる安心・安全の確保へ前進した。引堤事業の完成に向けて、安全に工事を進めていきたい」と抱負を語った。 

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