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滋賀産業新聞
2020/01/07

【滋賀】県流域政策局 長命寺川の広域河川改修設計

 滋賀県土木交通部流域政策局は、昨年11月に公告した長命寺川広域河川改修設計委託について、入札参加希望者がいなかったことを理由に12月に中止を公表。それに伴い、県は原因究明のために事業者らにヒヤリングを実施したところ、技術者不足などの理由が出たことで、改めて今年2月から3月頃に設計業務の再入札を行う。
 事業内容は、長命寺川の下流から2・44q付近(近江八幡市島町)に計画排水量0・6立方b/S、ポンプ設置台数をφ400_×2台、基礎杭についてはPHC杭φ500_×L7bを5本とPHC杭φ500_×L6・5b3本。また、鋼製ローラーゲートを2門、幅27・5b、高さ25bの設置を現段階では計画しており、その他、調圧水槽、吸水槽、吐出水槽、沈砂池、スクリーン受け、電気設備、電気室の建屋などの排水機場の施設を建てる。
 県は、97年(平成9年)河川法改正に伴い、県内を7圏域に区分し、河川整備計画を策定。今回、その一環として同河川の水位が上昇した場合、川の水が逆流し市町に洪水を起こす可能性があることから、それを防ぐために同施設の設置を計画した。
 長命寺川(蛇砂川)は、鈴鹿山系の麓を源とし、東近江市(永源寺地区・旧八日市地区)・安土町・近江八幡市を通り、いったん西の湖に流入した後、琵琶湖に注ぐ延長26qの一級河川。洪水時に流れる水量に比べ川幅が狭く、また、典型的な天井川になっていることから、破堤や溢水、内水による浸水被害等、幾多の大災害を引き起こし、梅雨や台風等の大雨のたびに沿川住民の生活を脅かしている。また、中流域では急激な市街化が進んでいることから、大幅な河川の拡幅が望めず、改修効果を早期に発揮させるためには、上流域および中流域の洪水を愛知川に流す新たな放水路が必要とした。このため、長命寺川(蛇砂川)および山本川の改修、八日市新川、和南川および平成川からなる河川改修計画を策定し、県は整備を進めている。
 なお、長命寺川(蛇砂川)の改修事業は、東近江市市辺町地先から琵琶湖に至るまでの約14・0qの区間を改修する事業で、現川の拡幅と河床の切り下げにより改修を行うが、蛇行が著しい区間や住宅密集地については河道の付け替えを行うとしており、現在、旧中山道部の工事を施工中で、上流へ向けて改修工事を実施している。

提供:滋賀産業新聞