東京都は2020改革に続く「新たな都政改革ビジョン」をまとめた。「民間とのスクラムで政策イノベーションを生み出す都庁」となることを目指し、人材マネジメント、組織運営、行政サービスの三つの視点から改革を推進する。組織運営については、東京2020大会後を見据え、機動的な執行体制とするための組織再編を実施する他、都庁のデジタルシフトを進め世界最高水準のICT環境を実現させる。行政サービスに関しては、有識者会議を設置してニーズに即した規制改革を行うとともに、行政手続きをデジタルシフトし、ペーパーレス申請やデジタル認証、キャッシュレス化を進める。2020年度早期に実行方針を策定し、具体的な取り組み内容を盛り込む。
人材マネジメントの改革では、民間人材の登用を拡大して専門性・多様性を向上させるとともに、デジタル分野の先端人材も確保しSociety5.0を実現するためのチームを形成する。民間と対等の立場で協働していくため、都職員の育成により専門性に磨きをかける。
組織運営の改革では、東京2020大会後を見据えた組織再編の検討を年度内に開始する他、迅速な政策・事業展開が実現できるよう、予算や定数を柔軟に措置するなど局単位での弾力的な事業執行を重視する仕組みを構築する。政策連携団体(監理団体)の自立的な経営を促すため、人員調整を中心とした現在の事前統制を、経営評価を重視した事後関与に転換する。
世界最高水準のICT環境の実現に向け、都庁のデジタルシフトを進め、既存の老朽化・肥大化・複雑化・ブラックボックス化した“レガシーシステム”を一掃し、クラウドを活用した統合型システムに転換。ICT環境の整備に関する企画・予算・人材などを総合的に調整する組織や実施体制を整備する。
行政サービスの改革については、企業や国、自治体などの声を広く聞きながらニーズに即した規制改革を実現するため有識者会議を設置する。行政手続きもデジタル化し、申請のペーパーレス化、認証のデジタル化、税・手数料のキャッシュレス化を進める。都民サービスの質向上のため、指定管理者制度やコンセッション方式による運営者の選定や評価の制度を通じて、都有施設のサービスの質を常に見直す。あらゆる産業や生活の場で、データや最先端技術を駆使した質の高いサービスを提供する「スマート東京」を実現するため、官民連携データプラットフォームを構築する。
提供:建通新聞社