京都市は27日、北区の大宮交通公園の再整備工事に来年4月から着手すると発表した。
公園の老朽化や北消防署の公園敷地内への移転を契機に、民間活力を導入して再整備するもの。
都市公園法に基づく公募設置管理制度(Park−PFI)を採用し、今年4月に大和リース葛椏s支店グループ(代表企業は大和リース梶jを事業者に選定した。
コンセプトとして、市内唯一の交通公園としての機能及び半世紀にわたって育まれた豊かな緑を生かし、「トラフィック・プレイモール・グリーンキョウト〜地域資源循環型公園 サステイナブル・パーク〜」を設定。トラフィックは自転車を通じて学び、楽しみ、交流する場、プレイモールは幅広い世代の色々な楽しみに開かれた公園、グリーンキョウトは三方の山々に囲まれ市街地が広がる緑豊かな京都、地域資源循環型公園 サステイナブル・パークは@人と自然が共生するライフスタイルの提案A地域コミュニティの活性化B防災機能の強化。
このコンセプトに基づき、公園全体を市域に見立て、各エリアを「まち」「里山」「森」と位置付け、エリアごとに整備等を行う。
まちエリアには、交通公園機能(サイクルセンター)を配置。市内の道路を再現した交通道路や、コミュニティルーム、自転車広場を整備し、自転車を通じて、交通ルール・マナーを学び、楽しみ、交流する場を提供する。自転車に関する幅広い相談等を行える店舗を設置する。イベントの開催では、中心部の広場ゾーンで、緑や生物多様性を育むワークショップ、地域の産品を販売するマルシェや自転車マナーアップフェスタのほか、演劇や音楽など様々なイベントを開催し、にぎわいを創出する。
交通道路や自転車広場の活用では、歩行者との共存を図り、ガソリンエンジンのゴーカートに代えて、自転車やランバイクに加え、ユニークな形状のおもしろ自転車を楽しめるようにする。またイベントで様々な乗り物を体感できるようにする。
消防署との一体性では、消防署のデッキも含めて広場ゾーンとして一体感を出すとともに、公園との動線として円形階段を設置する。また公園から消防車を見学できる設えとし、災害時に活用できるマンホールトイレ等を設置する。
バス等も駐車できる駐車スペースを確保するとともに、トイレの洋式化等を行う。
里山エリアは、飲食・物販店に加え、水飲み場やかまどベンチも設置。飲食物の提供では、リユース食器等により使い捨てプラスチックゼロを目指す。また店舗の暖房は園内の樹木を活用した薪ストーブの設置等を検討する。
くつろぎスペースを配置し、店舗や公園で飲食を楽しみつつ、緑豊かな環境の中で様々なイベントを通じ、幅広い世代が自由にくつろぎ、コミュニティを深められるスペースとする。開閉式テントの設置を検討する。
森エリアは、樹木の手入れを行いつつ、できるだけそのまま生かし、木漏れ日の中、回遊路の散策や遊具を楽しめるようにする。市民ガーデンスペースを設け、四季折々の花を育てられる場とする。外周部分のフェンスを取り払い、いつでも四方から入園できるようにする。
史跡の御土居は歴史を肌で感じられるように設える。
公園整備費は概算で4億6000万円(内訳は京都市2億4000万円、事業者2億2000万円)。
今後は令和2年1月に計画を公表し、4月から工事を開始する。11月市会に指定管理者の指定等に係る議案を提出する予定。完成は令和3年3月を目指し、3月末までに再開園(供用開始)する。
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なお新北消防署(仮称)新築工事ただし、建築主体その他工事は公成−太平特定建設工事JV、同ただし、電気設備工事は日本システム工業、ただし、空調衛生設備工事はシンテック−明和特定建設工事JVが担当。
新北消防署の規模はSRC造3階建、延3180u(建築面積1673u)。
令和3年2月下旬の完成を予定、4月からの運用を目指す。
設計は内藤建築事務所(京都市左京区)。