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建通新聞社(中部)
2019/12/26

【愛知】名市 弥富相生山線で新たに調査・検討を

 名古屋市緑政土木局は、都市計画道路弥富相生山線第4号について、2020年度に環境調査と同都計道の有無による交通変動のシミュレーションを実施する考えを明らかにした。20年度当初予算案に事業費を要望していくとともに、委託内容の検討を今後進めていく考え。河村たかし市長は、弥富相生山線第4号の道路事業を廃止するとしている一方、議会は同都計道の廃止に反対の意思を表明している。20年度の調査・検討は、市長・議会の両者がそれぞれの考えに対する判断材料となりそうだ。
 環境調査、交通変動シミュレーションともに、検討する内容は今後決める考え。環境調査は、相生山緑地に生息するヒメボタルの幼虫・成虫の実態調査や緑地内の植生分布、土壌調査などが考えられる。交通変動シミュレーションは、弥富相生山線が全線開通した場合の最新のOD調査結果に基づく道路交通量の変化予測は実施していない点を踏まえて、同線の整備の有無による交通変動の影響を検討するとみられる。
 弥富相生山線は、瑞穂区紅葉園の緑ケ岡交差点を起点に天白区境根町の久方交差点までの全体延長3830b。1993年に相生山緑地横断区間に当たる第4号(延長約890b)の事業認可を取得。2004年に道路建設工事に着手したものの、10年に中断した。第4号全体区間のうち、延長約179bが未着手。構造物が概成している区間は、シェッドや橋梁を配置し、整備前の形をなるべく残すような配慮を行い、整備を進めていた。
 14年12月に河村市長が「弥富相生山線の道路事業は廃止し、公園として整備する」などの方針を表明した。今年の9月定例会で、総合計画について審議した際、道路廃止は議会の意思と逆行するとして、総合計画を修正した上で可決。弥富相生山線の道路整備の有無と相生山緑地の公園整備とは切り離されることとなった。12月定例会で議会は、請願「弥富相生山線の完成に必要な予算措置を速やかに講じ、早期に開通させることを求める件」を採択している。

提供:建通新聞社