高知県は、2020年度の南海トラフ地震対策関連予算に425億7000万円を見積もっている。19年度当初と比べ24・2%の増。20年度は第4期行動計画の2年目となり、命を守る対策のさらなる徹底、命をつなぐ対策の幅広い展開など、時間軸をこれまで以上に長く捉え、より難易度の高い課題に取り組む方針だ。
主な事業の見積額を見ると、命を守る対策では、建築物の耐震化に31億0500万円(前年度比600万円減)、既存住宅の耐震改修や医療・福祉施設の耐震化を重点的に支援する。室内などの安全確保対策には17億5600万円(同4億3000万円減)、県立学校体育館の非構造部材耐震化などを進める。津波・浸水被害対策には137億7900万円(同36億6100万円増)、河川堤防などの地震対策加速化、海岸保全施設の整備・補強、防波堤の整備・粘り強い化などを重点的に進める。土砂災害などの対策には53億0900万円(同7億9200万円増)、通常砂防、急傾斜地崩壊対策、地すべり防止対策、県営ため池の改修を進める。その他、地上系防災行政無線の再整備や南海トラフ地震臨時情報への対応も実施する予定。
命をつなぐ対策では、緊急輸送の確保に110億5300万円(29億4000万円増)、緊急輸送道路や啓開道路の橋梁耐震化、法面の防災対策、四国8の字ネットワークの整備促進、防災拠点漁港における岸壁の耐震強化・防波堤の粘り強い化などを重点的に進める。ライフラインの確保には11億7600万円(8400万円減)、水道施設の耐震化・広域化や応急給水・水道の応急復旧の事前対策を支援する。この他、要配慮者の支援対策として障害福祉施設の高台移転や避難スペース整備に対し助成する。
生活を立ち上げる対策では、まちづくりに16億0800万円(3億6200万円増)、地籍調査事業の推進、工業用水道の耐震化を行う。
提供:建通新聞社