鴨川市はBTO方式で実施する「鴨川市一般廃棄物中継施設整備・運営事業」の優先交渉権者に、サテライト鴨川(鴨川市上小原482―1)を代表企業、新明和工業(流体事業部営業本部)を構成員、ケイテイエスを協力企業とするグループを選定した。公募型プロポーザルには同グループ1者が参加。提案価格は73億7900万円。内訳は施設整備委託料15億8201万1581円、運営・維持管理委託料57億9698万8419円。見積もり限度額は74億4520万円だった(いずれも消費税抜き)。
代表企業のサテライト鴨川は、市内で競輪の場外車券場を運営。用地として同社が駐車場等に利用している約2万u(借地)を提案した。
同事業では、老朽化している「鴨川市清掃センター」に代わる新たな可燃ごみの中継施設、不燃ごみ及び資源ごみのストックヤードを整備する。事業方式は、選定した事業者が施設を整備した後、市に所有権を移転し供用開始後20年間にわたり維持管理及び運営を行うBTO方式。事業期間は設計・建設期間が事業契約締結日から2022年5月まで。運営・維持管理期間が22年6月から42年5月まで。
業務範囲は、@事業用地の確保等A測量・地質調査等B施設の設計・整備C維持管理D運営E住民合意の形成F土地利用契約の締結等Gその他。
事業用地については、事業者自らが提案した場所を確保(借地・購入は問わない)することとし、また立地場所を市内とし、事業を実施する際に支障となる土地利用規制が適用されていない土地、または事業実施のために必要な期間内に支障となる土地利用規制の解除もしくは支障のない土地利用規制への変更が可能であることを求めていた。
事業スケジュールは、来年1月に基本協定、2月に仮契約を締結後、3月議会での議決を経て事業契約を締結し、設計に着手。22年5月までに設計・整備を行い、同6月から42年5月まで維持管理・運営を行う。
施設規模は、処理能力が42t/日以上で1系列。年間処理量は1万1386t。運転時間は1日8時間で、運転日数は300日以上。処理方式は「コンパクタ・コンテナ方式」。建物は、中継施設工場棟、管理棟、保管施設、計量棟などで構成する。
なお、審査は今月13日に選定委員会(基礎審査、プレゼンテーションなど)を実施し、23日に優先交渉権者を決定した。同グループの提案は▽施設の整備だけでなく将来建設予定の粗大ごみ破砕処理を整備するための十分な用地を確保している▽事業期間が延長となった場合も継続して用地の確保が可能▽地域特性を熟知した運営体制が構築されている▽ICT・IoT機器の活用による適切な安全管理が可能▽具体的な運営管理・労務管理が理解できる運搬計画である▽運営・維持管理期間における地元企業発注内容・地元住民雇用の具体的な提案があった――などの点が高く評価された。