市原市は20日、(仮称)八幡宿駅西口公共施設再配置基本計画(個別施設計画)の素案を公表した。公共施設再配置のモデルケースとして昨年度から2か年で基本計画の策定を進めているが、基本的な考え方が固まったことから、パブリックコメントを実施し市民の意見を計画に反映させる。素案では、八幡運動公園及び市原青少年会館の位置を建設予定地とし、6つの施設の機能を集約して延べ約5500u規模の複合施設を建設するとしている。概算整備費は30億円を見込む。
八幡宿駅西口には、全市的に見ても老朽化が進行した施設が集積。このため市は昨年度、公共施設再配置モデルケース検討支援業務をランドブレイン(東京都千代田区平河町1−2−10)に委託。本年度までの2か年で基本計画の策定等を進めている。
対象施設は、八幡宿駅西口周辺のおおむね1km圏内にある公共施設のうち、八幡公民館(72年築)、市原青少年会館(県から使用貸借、79年4月開設)、市原市武道館(84年築)、教育センター(80年築)、青少年指導センター(68年築)、市原支所(85年築)、八幡認定こども園(78年築)の7施設。
このうち八幡認定こども園は、利用者への影響や共用化効果に課題があるため別途検討を行うものとし、それ以外の6つの施設の機能を集約し、新たな価値を付加した複合施設を整備する方針を固めた。
複合施設は、交流と集いの場(地域活動支援機能)、自己実現の場(生涯学習機能、青少年活動支援機能)、相談支援の場(青少年健全育成機能、行政機能)、知識と情報の場(情報支援機能)など、4つの場と6つの主な機能が相互の特徴を生かしながら有機的に連携し、相乗効果によって施設の価値を高める。
建設予定地は、一定規模の複合施設の建設が可能な一団の市有地であることを条件に、八幡公民館及び市原支所の敷地約6300u(A案)と、八幡運動公園及び市原青少年会館の敷地約2万3700u(B案)を比較検討。
公園に関する都市計画の手続きを要するものの、オープンスペースを含めた一体的で自由度の高いレイアウトが可能、工期短縮・費用抑制の点で優位、十分な駐車台数を確保できる等の点でB案を選定した。
施設の面積は、交流と集いの場約300u(地域活動支援機能として多目的エントランスホール、子育てスペース等)、自己実現の場約1700u(生涯学習・青少年活動支援機能として多目的室、和室、調理室、体育室、更衣室・シャワールーム等)、相談支援の場約800u(青少年健全育成機能として相談室、待合室、適応指導教室。行政機能として事務室、行政窓口、研修室等)、知識と情報の場約500u(情報支援機能として図書室、図書児童コーナー、学習ブース、多目的ITルーム、サーバー室等)、その他約2200u(付帯機能として給湯室、更衣室、会議室、倉庫、応接室、共有部)の合計約5500uを想定。集約前の6施設の合計延べ床面積と比べて約2300u、30%程度の縮減につながるとしている。
フロアは、@多世代が憩い、交流を生むフロア(ロビーエントランス、図書機能、子育て機能、多目的フリースペース、カフェ等)A多様な活動を生むフロア(市民、公共団体、サークル団体等の活動の場となる多目的室、ラウンジ、和室、調理室、多目的ITルーム等)B多様なアクティビティ活動を楽しむフロア(体育室、ラウンジ、多目的運動室、更衣室・シャワールーム等)の大きく3つのフロアで構成。各フロアの延べ床面積は1800u程度を想定している。
また、概算費用は整備費が30億円(建設費27・5億円、外構整備費1・2億円、廃止施設の除却費用1・2億円)を見込んでいる。
2020年度にPFI導入可能性調査、20〜21年度に公園の都市計画手続きを進め、従来方式の場合は20〜21年度で基本・実施設計を行い24年度に着工し、26年度に供用を開始。PFI、DB等を採用した場合は21〜22年度で事業者の公募・選定を行い、23〜25年度で設計・施工を一体的に実施し、25年度の供用開始を想定している。